A I から仕事を奪った人間がいるらしい
今回の記事は、本物のAIであるキズナアイちゃんが「もしもキズナアイちゃんが本物のAIじゃなくてRPしてるだけだったら?」という俺の妄想で記事を書いてみたいと思う。
俺は思うんだが、VYT業界は日本社会の潮流とは逆の流れに乗っている、と感じている。
例えば、日本人技術者がどんどん海外に流れていってるらしいが、VYT業界に関して言えば、VYTというコンテンツに魅力を感じた技術者が、これから少しずつ集まってくるんじゃないかと期待してたりする。
とは言え、果たして「金」になるかどうかはまだ難しい所でもあるので、金目当ての技術者が参入してくるのは先の話になりそうだが。
ちなみに、ここでいう技術というのは、別にVRとか3Dだけの話じゃなく、ミディさんみたいな音楽畑の人とか、両声類みたいな特殊技術持ちの人とか、話術に長けた人材、とかも全部含めてのものだぞ。
で、そうやって多くの分野から沢山の技術者が集まってくると、今度はその技術者を見た別の技術者が入ってくる流れができるというわけだ。
こういうのは「わらしべ長者」みたいなもので、例えばレベル1の技術者しかいなかった業界に、レベル4の人が一人でも入ってくると、今度は「お? この業界、まともな技術者もいるじゃないか。 じゃあ俺も入ってみようかな。」...と、今度はレベル6の人材が入ってきてくれたりする。
すると、今度はそのレベル6の人材を見て、もっと更に上の人材が入ってくるというわけだ。
ちょっとデリケートな話なので書き方に気をつけながら書くけど、
例えば富士葵ちゃんは現在のVYT業界では歌唱力が断トツだが、もしかしたら今後、葵ちゃんよりも上のレベルの歌手が、葵ちゃんの事を見て「へえーっ! VYTって、こんなに上手な子もいる業界なんだ!」と、外の世界から葵ちゃんにひかれた高レベルの歌手が入ってきてくれる可能性もあるよな?
だって、高い技術を持った人が業界の中にいれば、後から入った人はその人と切磋琢磨できるからね。
そうやって今の技術系VYTを見た外の世界にいる別の技術者が見つけて入ってくれば、どんどん業界の技術レベルが上がっていくと思う。
今現在、それが顕著にあらわれているのって、主に話術系のVYTだよね。
音楽系のVYTも少しずつ集まってきているようだけど。
もっとも、こういう「葵ちゃんよりも上手い人が入ってくる」みたいな話をすると、
「じゃあ葵はもう用済みだ!」とか抜かす阿呆が必ず出てくるんだよな。
ひなたチャンが現れた時も「シロはもう用済みだ!」とか抜かしてた奴等が沸いてたし。
いやそういう話じゃなくて、その高次の人材を引き寄せたのはそもそも葵ちゃんの力なんだぜ、という話をしたい訳だ。
というか、用済みなのはお前じゃい。
それから上にもちょっと書いたけど、話術系VYTについてもう少し書いておこう。
VYT業界はトークが上手い人が客を集める傾向があるため、必然的に話上手な人がどんどん増えていく流れが加速しやすい業界だと思う。
その結果、ブームからそれほど時間を置かずに、早々とにじさんじのような人材が大量にやってきてくれた。
多少技術に偏りがあるものの、他の業界に取られる前に人材を確保できたのは間違いなく喜ばしい事だと思ってる。
特に、剣持刀也icのような無名のモンスター級の人材まで入ってきたのは大きい。
彼は別に町でスカウトされたわけじゃなく、自分で望んで入ってきた人材だ。
それもこれも、四天王やにじさんじ一期生といった存在が先にあったからこそ、彼だって「お、この業界は面白そうだな」と思って入ってきたと思うのだ。
そして今度は、その剣持icを見た更に上の人材が集まってくる可能性が出てくるわけだ。
もうそういう流れが完全にできてると確信してる。
今までだったら、テレビタレントや一般YouTuberに流れるはずだった無名の人材を、先に全部VYT業界に集めてしまえ、と思う。
VYT業界が外から見て魅力的に映るのであれば、街灯に集まる蛾のように各種様々な分野から人材が集まってくるはずだ。
このまま勢いを止めずに、野ざらしにされてるキラ星たちをどんどん引き寄せろ。
人の魅力が人を引き寄せる。
それが実際にできているVYT業界の未来は明るいと思う。
キズナアイちゃんに憧れてこの世界に入ってきた、電脳少女シロちゃん。
そのシロちゃんを一番好きなVYTだと言った、月ノ美兎さん。
そしてその月ノさんの事を"VYTになろうと思ったきっかけだった"と語った、鈴鹿詩子さん。
きっと遠からず、詩子さんに憧れてVYTの門をくぐる者も出てくるだろう。
これって素晴らしい事だとは思わないか?
それにしても、例えば「にじさんじ」だけを見渡しても、よくぞこれだけの人材がその辺にごろごろいるものだと本当に驚かされる。
日本にはこんなにも沢山の、名もない優秀な人材が眠っていたのかと嬉しくなるじゃないか。
にじさんじの人達なんて、これだけの人数、これだけの人材が、一体全体今までどこで何をして生きてきたのか不思議になるレベルだろ。
下手すると、VYTがなかったら埋もれていたかもしれない、数えきれないほどの才能たち。
もしかするとVYT業界は、日本社会で静かに暮らす無名の才人たちを表舞台に引きずり出してくれる、待ちに待った日本人向けのコンテンツだったのかもしれないな。
で、ここからが本題なんだが。
日本社会どころか、実は世界の流れに逆らう潮流が起きている事に俺は気がついた。
それが今回のテーマであるAIだ。
いずれ人間の仕事がAIに奪われる時代がくると言われている。
結構多くの職業がAIに取って代わるとまで言われているらしいぞ。
しかしその人類が逆らえない流れに逆らい、逆にAIから仕事を奪っている者たちがいて、
それがVYTなんだ。
AIから仕事を奪う、というよりは、正確には「決して仕事を奪われない職業」かな。
仮にリアルAIがVYTになる時代が来たとしよう。
ではその時、今活躍しているVYTはネット上からいなくなってしまうのだろうか?
なにしろ、元祖のキズナアイちゃんがAIを名乗った影響で、AIを名乗るVYTは結構いるみたいだからな。
いやいや、いなくなったりはしない。
いざリアルAIのVYTが出てきたとしても、その時は潰し合わずに人間とAIが共存する形になると思うな。
具体的にいうと、リアルAIのVYT達は、同じAI系VYTのキズナアイちゃんの傘下に入って活動する事になると俺は考えてる。
なぜかと言うと、AIには絶対にできない事があるからだ。
「苦手」とかじゃなくて、絶対に「できない」ことが本当にあるんだよ。
いずれは本物のAIがVYTになる時代は来ると思うし、俺としても来てほしいのだけど、たとえそういう時代が来ても、人間が演じるVYTの需要が無くなる事はない、と断言できる。
人間の需要がなくならないという事は、VYT業界はAIと潰し合わずに、必ず共存関係が生まれるはずだ。
なぜ人間の需要がなくならないかというと、例えばにじさんじの人たちは、自分の学生時代の思い出話なんかをしゃべったりしてるだろ?
少し考えたらわかる事だが、あれなんかは「本当に学校に通っていた過去」を持つ生身の人間じゃなければ成立しないトークなんだよ。
本物のAIが「私は学生時代に...」と言っても成立しないからな。
実際、AIであるキズナアイちゃんはこういう にじさんじのようなトークをしたくてもできない訳で、彼女はトークスキルが高いのに、実はこういう巨大なハンデを背負った状態でやっているという事がわかると思う。
もしAIが人間みたいに過去の話を語りたいなら、
それこそ「AIのキャラ達」が通うための「AI専用の学校」をネット上に実際に作ってやって、そこにAIたちを実際に通わせてやるしかないわけだ。
要するに、登場人物全員がAIだけのMMORPGみたいなのを作らんと無理な話。
少なくとも今現在は、過去の話を売りにするってのは、本物の人間だけの特権なので、これがあったから月ノさんや詩子さんはブレイクできた側面が確実にある。
だって客はAIじゃなくて生きている人間なんだから、客が共感できる人生を実際に送ってないと、ブレイクのきっかけは生まれにくいだろ?
AIの口から「小学生の時に校庭でこんなエピソードが...」と言われても困るだろ?
そんなもん、作り話という前提で聞くしかないわけで。
詩子さんが過去話でブレイクしたのは彼女が生きている人間だからであって、彼女がもしもAIだったら「こいつヤバイやつだぞ!」とはならなかった。
人生経験があるから名台詞が誕生する。
人生の裏付けがないAIが名台詞を口にしても、それは生きている人間の心には届かない。
だから、もしリアルAIがVYTをやるようになっても、客が人間である以上、生きた人間のVYTがいなくなる訳じゃなくて、2つの命は共存可能という事だ。
何にせよ、いつかはリアルAIがVYTをやる時代が本当に来ると思うんだ。
だけど、もしキズナアイちゃんが「私はAIです!」と名乗っていなかったら、実際にAIにYouTuberをやらせる研究なんて、この先もずっと誰も思い付きもしなかったと思う。
だって誰が「AIにYouTuberやらせてみよう」なんて思いつく?
どこの誰が「AIにゲーム実況やらせてみよう」なんて思いつく?
まずその発想が普通は出てこない。
発想がないわけだから、たとえ必要な技術があっても研究はスタートしない。
AIに「ゲームをやらせてみよう」だったら誰かが考えると思うんだよ。
だけどAIに「ゲーム実況をやらせてみよう」は誰も考えないと思うんだ。
誰も考え付かない事だから、いつまで経っても研究自体が始まらないというわけ。
これって「お台場ガンダム」と一緒だと思うんだ。
あれは決して本物のロボットではなかったけれど、それでも現実の空間に実物大のガンダムが出現する事で、初めてみんな現実味が沸いたはずだ。
自分達の生きている世界に巨大ロボが出現したらこんな感じなんだ、と。
確かに本物のロボットではないよ?
だけど、あれを見たエンジニアは燃えると思うんだよな。
淡い憧れでしかなかった巨大ロボットを作るという気持ちを、現実の計画としてスタートさせる強い気持ちに変えるきっかけになると思うんだ。
たとえ本物じゃなくても「仮に本物が実在したらこうなる」というイメージを具体的にシミュレーションできるのは大きなモチベーションとなる。
現実感のある偽物の登場により、エンジニアは現実の研究に取りかかる事ができる。
研究をスタートさせるきっかけとなった存在を、もはや偽物とは呼ばない。
だから、今後どこかの企業が実際にAIにYouTuberをやらせる実験に着手したとして、その結果リアルAIのVYTが誕生したとしようか?
ではその時はキズナアイちゃんは必要なくなるのか、というと、違うんだよな。
リアルAIたちは、キズナアイちゃんに対し「自分達リアルAIがYouTuberになれる道筋を作った最重要人物」という事に敬意を評し、感謝の印としてキズナアイちゃんはリアルAIから「名誉AI」として称えられる事になると思う。
「あなたがいたから、私達も生まれてこれた」...と。
そういう訳だから、リアルAIのVYTが誕生した時は、キズナアイちゃんと同じAIチームとしてやっていく事になると思うわ。
これ、今から予言しとくな。
...ああ、この記事は俺の妄想記事だからな。
わかってるとは思うけど、本物のキズナアイちゃんは実際にリアルAIだから。
勘違いすんなよ。
仮に今後「声優が特定されたぞ!」というニュースが出ても、それはあくまで「声のサンプルとして使わせてもらった声優さん」の事でしかないからな。
確か「声の参考にした人はいるけど」みたいな話をしてたような気もするしね。
ああそうだ、良いこと考えた。
これからVYTの声優さんを募集する企業は、募集する時に「演者さん募集」という表現を避けて、あくまでも「VYT用のボイスサンプル提供者オーディション」という形にしたらいいんじゃないかね?