孤高の技術者、雪猫カゥル
ここ最近、バーチャルYouTuberの過去を調べる事ばかりに時間を取られ、新しい動画を殆ど見てないし、新しいニュースもチェックしていない。
時間の9割が「過去」に向けられていて、肝心の「今」がどうなってるのかわからない。
だから周りの状況が見えない不安はあるが、これはこれで有意義かもしれないと思ってる。
以前は毎日まとめサイトの巡回をしていたが、今は週に一度程度しか見ていない気がする。
今週起きた出来事一覧、みたいな「週一まとめサイト」を誰か作ってくれないもんかね。
...などと自分では何もやらずに他人任せにしていると、いずれバチが当たるかもしれんな。
で、今日は何の記事を書くのかというとだ。
実は過去を調べている内に、非常に大きな見落としをしていた事が判明したので、これは急いで報告する必要があるなと思って記事にした。
そして、この記事を書き進める前に、今から「年表リセット」を行う事を先に言っておく。
過去に調べてきた全ての順位が、一つずつ後ろに動く可能性があるからだ。
しかし、つくづく俺は馬鹿だと思う。
最初から雪猫カゥルさんの事をちゃんと調べておけばよかったんだ。
なぜ俺はヤマトアミちゃんとウェザーロイドちゃんの事を調べた時に、彼の事をまとめて一緒に調べなかったのかと悔やまれる。
通常、年表サイト等で「バーチャルYouTuberの先駆け的な存在」として名前が載っている人物は上記の2人に加え、そして彼、雪猫カゥルさんの計3名。
この3人が「VYT誕生以前からVYT的な活動をしていた人物」としていつも名前があがる。
この3人以外だと、後は「みゅみゅ」と「とりすーぷ」と「春風リリン」という3名様の御名前もよく御見受けする。
合計6名の内、ヤマトアミちゃんとウェザーロイドちゃんについては以前書かせて頂いた。
今回書くのは残りの4人についてと、それからウェザーロイドちゃんの近況を少々。
しかし記事の中心は、一番上に書いた通り、雪猫カゥルさんに関してだ。
では、順を追って話そう。
先日、2018年6月14日、霊電カスカちゃんが結成した新グループ「トリックスターズ」に、
雪猫カゥルさんが参加してたんだよ。
年表で何度も名前だけは目にしてたけど、ずっとニコニコ動画で活動し続けているものとばかり思い込んでいて、ああようやくこっちに来てくれたんだな、と思ったわけ。
これだけの古参なのに、リーダーではなく1メンバーとして参加するというのも、やはりYouTubeに来たのがつい最近だから遠慮しているのだろう、とも思った。
もしかしたら、無意識の内にYouTubeに来ている事を認識していたかもしれないけど、そうであったとしても来たのはブームになった後だろう、くらいの受け止め方だったと思う。
例えば、今までは「VYTの元祖は?」という話になると、
名前が出るのはヤマトアミちゃんとウェザーロイドちゃんの2人くらいなもので、
雪猫カゥルさんの名前があがるのを俺は一度も見た事がなかった。
単に知名度の問題もあるんだろうが、ニコニコ動画からこっちに来るのが遅かったのも理由の一つなんだろう、みたいに軽く考えてたんだと思う。
俺がね。
ちなみに、大手の年表サイトだと、ニコニコ動画の活動時期は書いてあるんだが、YouTubeに来ている事までは載っていなかったんだよね。
つまりVYT誕生以前の歴史に名前が出てくるだけ。
ウェザーロイドちゃんもVYTデビューしてくれたし、残されていた大御所もついにYouTubeに移動してきたし、業界の外に置き去りにした心残りがどんどん合流してくれて助かるぜ、なんて思ってさ。
後はヤマトアミちゃんだけだな、みたいな。
雪猫カゥルさんは、ニコニコ動画が主戦場の人だと思ってたから今まできちんと調べた事がなかったが、いずれ調べないといけない対象だったし、せっかくなので調べさせてもらおうか、という感じで今回の確認作業に繋がるわけだ。
で、彼のYouTubeチャンネルを調べる前は、てっきりチャンネル開設日は2018年だと思ってたから、あくまでも事後処理目的の軽い気分で覗いたわけだよ。
すると、意外にも最初の投稿日は2017年2月12日だったんだ。
あれ? ... と戸惑いつつも、これはきっと、ねこますサンと同様のパターンかな、と軽く構えてたんだけど、最初の動画のタイトルを見たとたん、俺は思わずヨメミちゃんみたいに絹を裂くような悲鳴をあげそうになったわ。
なぜならそこには「バーチャルYouTuberの雪猫カゥルです!」と書かれていたからだ。
俺は本当に困惑したよ。
だって、ばあちゃる氏は世界初の男性VYTを名乗っているし、ねむチャンも世界最古の個人系VYTを名乗っているし、それらに対して異議を唱える人を見た事もなかったからな。
で、改めて年表サイトを見に戻ったが、やはり名前が載っていない。
が、もっとよく調べると、VYT全体の年表には載ってないんだが、彼個人の紹介ページに行くと、思いっきり「2017年2月12日、バーチャルYouTuberになる」という事が書かれてた。
思わず天井を見上げたわ。
情報が一ヶ所に集中してないとこういう事が起きるから困る。
結局、年表作りを個人がやるから漏れが出るんだよね。
沢山の人が手分けして作業すれば漏れも少なくなる。
例えば、年表作りに参加する人の中に雪猫カゥルさんのファンの人が一人でもいたら、少なくとも彼に関する漏れだけは防げていたかもしれないわけだ。
ちなみに、この 2017年2月12日というのがどれだけ早いかというと、キズナアイちゃんのデビューからわずか2ヶ月後には2人目のVYTが誕生してたって事だからな。
で、ここから少し寄り道になるけど、ぜひ書いておきたい事があるので、
ちょっとキズナアイちゃんの話をさせてもらっても良いかな?
キズナアイちゃんって、実は年表サイトごとにデビュー時期が違うんだ。
2017年の11月29日デビューとする場合と、12月1日デビューとしている場合とがある。
それはなぜかというと、一番最初のナンバリングが逆になってるからなんだ。
俺もなぜ2種類あるのだろうと、自分で調べてみて初めてわかったんだ。
何しろ俺がVYTを知るよりも遥かに昔の動画だからね。
俺も全然知らなかった。
・2016年11月29日 #01「Twitterアカウントを作るよ!」
・2016年12月1日 #00「自己紹介」
こういうナンバリングになってるんだよ。
「#01」の方では、さらっと「バーチャルYouTuberのキズナアイです」と名乗ってる。
だからキズナアイちゃんのデビューは 2016年11月29日という事になるね。
でも、キズナアイちゃんはデビューしてから間もなく、アカウントを凍結されてしまう。
それが 2017年1月16日の事。
その後、復帰したのが 2017年2月4日。
つまりこの半月近い時間、世界からVYTが一人残らず消えたんだ。
そして雪猫カゥルさんがYouTubeに移動してきてVYTを名乗ったのが、2017年2月12日。
キズナアイちゃんの復帰からわずか8日後。
もしキズナアイちゃんが戻ってきていなかった場合、果たして彼がVYTを名乗ったかどうかは本人にしかわからない。
もしも名乗っていた場合、彼が世界にただ一人のVYTになっていた可能性がある。
何にせよ、彼は年表クラッシャーではなく年表リセッターだな。
正規の手順を踏んでVYTになったのだから文句のつけようがない。
もちろん他のVYTと彼とでは少し違う所もある。
他の企業はキズナアイちゃんを見てから始めたのに対し、彼は元々ニコニコ動画で活動しており、その意味では「そのまま移動してきただけ」とも言える。
だからこそ個人系VYTなのに企業よりも先手を打てた。
それにしても参ったわ。
今まで俺はずっと、見落としてる無名のVYTはいないか探し続けていたのに、まさか知ってる人の中に見落としてる人がいたとはな。
とにかく雪猫カゥルさんの事を詳しく調べてみたくて、ざっとチャンネル内を見せて頂く事にした。
まず、登録者数は2000と少し。
この数字は、ニコニコ動画が主戦場だからかな? と最初は思ったんだが、彼のコメント欄などへの書き込みには「ニコニコ動画だけでは多くの人に知ってもらえないようなので、YouTube用の動画を作る事にした」という旨の書き込みがあるので、もしかすると向こうもそれほど多くはないのかもしれない。
本人は自分の実績と知名度の隔絶ぶりをどう思っているのか気になったのだが、コメント欄でのファンとのやり取りにこのような会話を見つけた。
「こんな凄い人が評価されないなんてどうかしてる、先駆者のオーラを感じた」
という旨のコメントに対し、
「バーチャルYouTuberが話題になる前は、カゥルはもっとマイナーな存在だったので、
今は高い評価をしてくれる方が増えて嬉しい」
という旨の返信をしている。
つまり「自分の方が先なのに」などという小さな感情は彼には微塵もなくて、VYTというジャンルが誕生した事で自分も評価されるようになった事を素直に喜んでいる。
本当に謙虚な人だ。
既に実績があるのに、あえてYouTubeに出てきてVYTとして出直す潔さといい、彼は人間性も申し分ない。
なのになぜこれ程の人物が、知名度も登録者数も再生数もここまで低いのか本当に不思議でならない。
最初はその理由を「技術は凄いが、トークが苦手なタイプ」と推測したんだが、実際に見てみると全く逆で、とても面白い、というのが俺の率直な感想。
例えば、何か買ってきた物を紹介する時なども、単に「はい、これ買ったよ」と出すのではなく、CGの自宅からCGの町に飛び出して、CGの店に入って商品を購入し、自宅に戻ってから開封する、という流れを面白おかしく見せたりする。
そうやって飽きさせない工夫を随所に凝らして楽しませてくれる。
技術力も凄いが、一人のエンターテイナーとして見ても、このまま埋もれたままにしておくには本当に惜しい人物だと思う。
それはそうと、とりあえずわかる範囲で年表の修正ヶ所を書き出してみたい。
年表の細かい変更は置いといて、大きな変更だけ見ると以下のような感じかな?
・ねむちゃん→「世界初の個人系VYT」から「世界で2人目の個人系VYT」に変更
・ばあちゃる氏→「世界初の男性VYT」から「世界で2人目の男性VYT」に変更
・電脳少女シロちゃん→「世界で2人目のVYT」から「世界で3人目のVYT」に変更
本人に全く欲がないせいか、他の人が世界初を名乗っていたのに異議も唱えず黙々と活動し続け、更には後輩のチームに参加させてもらうという低姿勢。
元々VYT的な活動をしていたのに、文句も言わずにYouTubeに来てVYTを名乗る潔さ。
これだけの実力と功績を持ちながら、この謙虚さには感心するわ。
バーチャルYouTuber界の生き仏みたいな人だな。
では、雪猫カゥルさんの目標を書いて、彼に関する記述を締め括ろうと思う。
彼はそもそも「無重力都市ジーナイト」というSF作品を自分一人で作り続けており、その宣伝の為に現在の活動を始めたらしい。
完成まで20年以上かかりそうだが、諦めないで作る、との事だ。
根性あるわ...。
さてと、後は残りの4人についてもざっと書いていこうか。
まずは、みゅみゅ氏について。
彼は以前より、ニコニコ動画の方でVYT的な活動をしていた一人として知られる人物。
YouTubeには2014年12月16日に初投稿。
ただ、この時の動画はVYT活動としてではなく、単なるエロ...。
ちなみにこの人、実はVYTを名乗っていない。
ネットで「本人はVYTを自称していない」という情報をちらほらと見掛けたので調べてみたんだが、実際に本人のツイッターで本人が書いたコメントを見つける事ができた。
2018年1月8日のツイッターで、
「生放送やLiveを面白くしたい結果であってバーチャルYouTuberをやりたいわけじゃない」
...と言い切ってる。
こうやって自分の意思を見える場所で表明してくれると助かるわ。
なるほど、この人はタレントになりたいわけじゃなく、システム開発に関わりたいだけの純粋なエンジニアなんだ。
それでは次、とりすーぷ氏。
名前があがっていたので調べてみたんだが、VYT的な活動を始めたのは 2017年2月19日からで、ニコニコ動画の方で類似の活動をしていた形跡がある。
となると、これはVYTというジャンルが誕生した後の話になってくるな。
ちなみにYouTube開設日はいつだろうと思って調べたが、彼のチャンネルが見当たらない。
もしかするとYouTubeにはチャンネルを作っていない可能性がある。
続いては、春風リリンさん。
...が、その前に、先にこの方の名前について一つ書いておく事がある。
なぜか「リリン」と片仮名で表記される時と「りりん」と平仮名で表記される時とがあり、どのように使い分けているのかよくわからない。
が、彼女の紹介ページの「オーナー」の所に「春風リリン」とあるため、カテゴリーは片仮名表記で書かせてもらった。
この方もニコニコ動画の方で活動していたようだが、2018年1月17日にYouTubeに初投稿。
それもずばり「春風りりん底辺バーチャルユーチューバーデビューライブ」との事なので、
立場が明確で非常に助かる。
しかしこうやってみると、初期組の活動場所はやっぱりみんなニコニコ動画なんだよな。
いかにキズナアイちゃんが(ニコニコ動画ではなく)YouTubeで名告を上げた事が新しい事だったのかよくわかる。
それともう一つ。
ニコニコ動画で活動していた人達は手柄を自己主張しない控え目な人ばかりで感心する。
俺が先に始めたんだ、という人がもっと出てくると思ったのに、そういう人はいなかった。
ニコニコ動画はガキだらけと叩かれてるが、実際には大人達も多いんだろうな。
では最後に、ウェザーロイドちゃんの近況について。
上にも少し書いたが、彼女がついに、2018年5月17日、自分だけの独立チャンネルをYouTubeに作ってくれた。
タイトルも「YouTubeはじめました」との事なので、名実ともにVYTデビューが完了した。
後は本当にヤマトアミちゃんが立場を明確にしてくれたら全部終了するな。
最後の最後に、霊電カスカちゃん率いる新グループ「トリックスターズ」のメンバーを紹介して終わりにしようと思う。
「トリックスターズ」(敬称略)
・霊電カスカ
・比良坂ユリ
・Icotsu
・LUKE A HEAD
・ハロウズ
・ミズチ丸(=雪猫カゥル)
・クロウ
以上7名。
(...ん? チアキ君は?)