男性バーチャルYouTuber初動組を整理する

 

前回、世界で2人目のバーチャルYouTuberは誰なのか、というテーマで記事を書いたのだが、その調査の過程で色々と調べ物をしている際に「世界初の男性VYTは自分だ」などと発言している、何やら面倒な人物が検索に引っ掛かってしまったので、今回はその対象について軽くふれておこうと思う。

 

また同時に、今後このような「言った者勝ち」がまかり通らぬよう、男性VYTの初動組に関する再確認作業を行ったので、そちらもぜひ目を通して頂けたらなと思う。

 

 

まず上に書いた「面倒な人物」に関してだが、もったいぶらずに先に名前を書いてしまうと、そいつは「ピーナッツくん」という名の「半バーチャルYouTuber」みたいなやつだ。

 

登録者数が現時点で既に5万を少し越えている感じなので、

恐らく「見た事はないが名前は知っている」というVYTファンも多いかもしれない。

 

見たらわかると思うが、彼は普通のVYTではなくて、いわゆるアニメ作品を動画サイトに投稿する純然たるクリエーターであり、どこかのタイミングでVYTに移行した「転向組」の一人だ。

あの辺のエリアは殆ど立ち寄った事がなかったので、彼に関しては名前だけ聞いた事がある程度だった。

 

俺は見れなかったんだが、少し前に「24時間生放送」の企画があっただろう?

あれを企画、実行したスタッフの一人が彼らしいな。

 

彼は転向組ではあるものの、彼に対する反発らしい反発が起きていない事から見て、

同じ転向組でも受け入れられる人とそうではない人とがいるのは、

業界に対する「貢献度」の要素が絡んでくるのかもしれん。

 

 

で、そもそも彼の言ったとされる「世界初の男性VYTを名乗ってる」という話なんだが、あくまでもネットで拾った匿名のコメントなので真偽不明な上に、仮に本当に本人の発言だったとしても、彼がそれをネタで言っているのか、あるいは本気で言っているのか、残念ながら俺には判断がつかないわけで。

 

まあそんなわけで、とにかく調べられるだけ調べてみたんだわ。

調べるとは言っても動画を見る時間までは取れないので、あくまでも日付を追う調査が中心で、そこから先は前回の記事と同様、精神性に着目して調査を進めさせてもらった。

 

で、調べていくと、本人が発言したとされる台詞が他にも幾つか出てきたので書いてみる。

 

 

1・自分こそが世界初の男性VYTである、と、

  ばあちゃる氏の記録を否定する発言をしている。

 

2・自分は古参でシロちゃんと同期である、と、

  VYT初期組である事を匂わせる発言を繰り返している。

 

3・彼はいわゆる転向組だが、

  本人はバーチャルYouTuberと呼ばれたがっているらしい。

 

4・他のVYTに対して「テレビなめんじゃねえ」と、テレビ寄りの発言をしている。

 

 

...真偽は不明ながら、過去にこのような台詞を口にしてますよ、という事らしい。

 

が、もしこれらが本当に本人の発言だとしたら、VYT業界にとってはあまり歓迎できない人物に思えてくるな。

何しろ年表クラッシャーなわけだから。

 

好意的に受けとれば、恐らくそういう、いけ好かない感じのキャラが売りの人物なのかもしれないが、歴史の記録に傷を残すような発言は慎んでほしいんだよな。

 

しかし何度も書くが、これらの発言は第三者の書き込みばかりで、本人が直接書き込んだものはどこを検索してもヒットしない。

 

多分だけど、もし本人の発言であれば、ツイッターの書き込みか、あるいは生配信の中で発言したものなのではないかと思う。

仮に本人が言ったのだとしたら、の話だが。

 

ツイッターに関しては、残念ながら俺はツイッターの中身を検索する方法がわからないので殆ど調べられないのと、また動画を大量に見るための時間も取れないため、とりあえず作業的にはYouTubeの動画の日付を調べる作業を中心に置き、後は主要な動画を部分的に再生して調べる感じでチェックさせてもらった。

 

本当は過去のツイッターを隅々までチェックして、動画の投稿日と照らし合わせた上で、彼の心の変化の過程を確認しながら調査できれば一番良かったのだが、できないものはできないからな。

 

では前置きはそろそろ終わりにして、今回調べた事を一つ一つ書いていくぞ。

 

 

まず、彼は 2017年7月4日に最初の動画を投稿してる。

これは確かに早い。

 

ちなみにツイッターに関しては、2017年6月に登録、と表示されている。

6月の何日かまでは書かれていない。

わかっているのは、YouTubeよりも少し先行してツイッターを始めている、という事だけ。

 

ツイッターの件は置いておくとしても、本来であればYouTubeに投稿を開始した日付で決めれば良い話なので、普通なら 7月4日が彼のVYTデビューの日付になる所だが、彼の場合は明らかに転向組なのでそう簡単な話じゃないわけだ。

 

で、投稿された最初の動画なんだが、タイトルに「第1話」とある通り、これは確実に純粋なアニメ作品だな。

間違いなく、彼はこの時点ではVYTでも何でもない。

 

俺が知りたいのは、彼の心の変化の過程だ。

 

1・いつVYTを知ったのか?

2・いつVYTになりたいと思ったのか?

3・いつ実際の行動に移したのか?

 

この3点。

2は別にいらないけど、1と3は情報として必要だ。

 

VYTというジャンルは、日付だけを追いかけて年表を作るのはとても危険で、精神性と日付の両面でアプローチしないと、ピーナッツくんicのような「いつの間にか中に入り込んでいた人物」に対して対処できなくなる。

 

 

で、肝心の「いつからVYT的な活動に変化したのか」という話になるんだが、こちらで確認できる限りは、2017年9月29日「第1回 ピーナッツくんの質問コーナー」の動画かな、と思う。

ツイッターに寄せられたファンの質問に答えていく内容の動画なので、

これがアニメ作品ではない、一番最初の双方向の動画という事になるかな。

 

ただし、単に双方向というだけでは、普通のYouTuberだってファンとやり取りしてるだろうから、この動画だって「アニメ作品を作っているクリエーターが、ファンの質問に答えただけ」とも考えられる。

 

が、一つ違う所があって、それはこの動画がクリエーターとしてではなくて、物語の主人公自身が質問に答えている点であろうか。

 

どちらにしろ、ブームよりもかなり前の動画なので、この時点ではVYTという名前自体を聞いた事がなかった可能性も高い。

 

そしてその後は、2017年12月5日に、恐らく初めての生放送を行ってる。

この様子からすると、気持ち的にVYTを強く意識してる頃だと考え、VYTに対する言及があるかと思ってアーカイブを飛ばし飛ばしではあるが、再生して確認してみた。

 

残念ながら、飛ばし飛ばしで見たためにそこは確認できなかったのだが、彼の口から「既に過去に3~4回生放送した事があるよ」という発言を拾えた。

チャンネル内には見当たらないようだが、削除されたテスト配信等があったのだろうか?

 

ツイッターは調査に使えないし、この先どうやって調べるかな、と悩んでいたら、あっさり解決してしまった。

よく見たら 12月22日に投稿された「今からバーチャルYouTuberデビューするよ!」と宣言するストレートな動画があったんだわ。

一番最初の動画から順にタイトルをチェックしていたから気づくのが遅れたわ。

 

しかしわかってみれば何の事はない。

本人が一番、2017年7月4日時点ではVYTではなかった事を理解しているじゃないか。

いけない子だ。

 

とりあえず、彼が転向した日付は早く見ても 2017年12月22日であり、

これだと完全にばあちゃる氏の後輩という事になる。

 

本来なら転向組に対しては、確実性のある証拠を要求すべきなんだが、これだけはっきりとVYT宣言をした過去があるなら問題ないだろう。

 

...というかだな?

そもそも転向したいのであれば、その前にVYT用のチャンネルを新設しろよと言いたいわ。

ちゃんと新設してくれていたなら、こんな風に調査する必要自体なかったわけだから。

 

 

まあそれはともかく、今回の調査はこれにて終了...と思ったら、もっと新しいアーカイブが目に留まった。

 

2018年3月27日の生放送のアーカイブの概要欄に、

「ぼく、ピーナッツくんは最近、バーチャルYouTuberに憧れている」

...と書かれているじゃないか。

 

いやいや、なぜ一度VYT宣言しておきながら、今度は「憧れている」段階に逆戻りしているのだ。

行動に一貫性がなくてまいるわ。

オシャレになりたいのかバーチャルYouTuberになりたいのかはっきりしろ。

 

 

ちなみに、このアーカイブを早送りして見ていたら、彼が描いたと思われるVYTの似顔絵が沢山紹介されていた。

 

へったくそな絵ではあるが、消去法で「今のたぶんシロちゃんだな」という似顔絵がちらっと見えたので、試しに止めて確認してみたら、運良くきっちりと本人の口から聞けたわ。

「電脳少女シロは同期である」という旨の台詞を。

 

更に、ばあちゃる氏の似顔絵も見えたので止めて確認してみると、

こちらも「ばあちゃるよりも自分の方が先だ」という旨の台詞を聞く事ができた。

 

 

...こいつ本当に言ってやがった。

そして葵ちゃんの絵が本当に酷かった...。

  

 

しかしこいつ、どう処理するべきかね?

俺としては葵ちゃんのカタキを討つ方向に気持ちが傾いてんだけど。

 

 

2017年12月22日に「バーチャルYouTuberデビューするよ!」と宣言しておきながら、

2018年3月27日は「バーチャルYouTuberに憧れている」に逆戻り。

 

それ以降の動画のタイトルを見た限り、特にVYTデビューした形跡もなさそうなので、

これは下手するとまだVYTデビューできていない可能性も出てくるな。

 

だとしたら、今からでも「ピーナッツくん、本日よりVYTデビュー!」みたく企画出して、

生放送でファンの前でデビューする所をちゃんと見てもらった方が、本人も周りもすっきりして良いかもしれんぞ。

 

ではひとまず、彼はまだVYTデビューしていなかった、という事で、今回の記事は終了と。

 

 

 

で、記事の目的の半分はここで終了なので、これで終わりにしても良いのだが、上にも書いた通り、今回は男性VYTの初動組に関する整理もやってしまう事にしたので、もう少し俺の話に付き合ってもらいたい。

 

とはいえ、男性VYTという枠組みがまたどうにも難しいんだよな。

 

同じ女性アバターを使用している男性VYTでも、

ねこますサンみたいな「おじさんでーす!」と言ってる人もいるし、

ねむチャンみたいに「美少女です!」と言い切ってる人もいるし。

 

アバターは女性だけど演者が男性のケースと、アバターが男性だけど演者が女性のケースと、アバターは男の娘だけど演者が女性のケースと...みたいに難しく考えてしまうと、リストを作る際に見落としが発生しかねない。

 

まあここは素直に考えて、演者が明らかに男性であるVYTと、たとえ演者が女性でも男性キャラを名乗っている場合と、後は男の娘キャラに関しては、全て男性として扱うものとした。

 

 

それと、12月~1月辺りになるとVYTの人数もぐっと増えてくると思うので、その辺りからはVYTの選出に漏れが生じる可能性がどうしても高くなってくる事をわかってほしい。

 

せめて2017年内だけでも全VYTを網羅しておきたかったが、12月に入ってからは個人勢の把握がどんどん難しくなるので、後半部分からは必ずしも全員ではなく、代表的な男性VYTの名前しか出てこない可能性がある事を頭に入れて読んでほしい。

 

要するに、リストに入れ忘れたVYTが他にもいるかもしれないぞ、という事なんだ。

 

...いや、入れ忘れたというか、実は1人か2人ほど心当たりがあるんだが、その内の1人は過去の動画を非公開設定にしているためなのか、初期の動画の日付を確認できないままこの記事を書く破目になってしまったんだ。

 

本人に直接コンタクトして確認しているんだが、返事をくれるかどうかは賭けに近い。

どうも活動を休止している気配が濃厚なんだよな。

多分、疲れてしまったのだと思う。

 

まあそんなわけで、今回の記事は前回よりも完全度が低いので、肩の力を抜いて読んでくれると助かる。

 

 

という事で、以上の要素を踏まえた上で、

初期に誕生した男性VYT(演者とキャラを内包した上で解釈する "男性" )を、

誕生順に書いていこうと思う。

 

前半部分は可能な限り正確に、後半部分は...可能な限り正確に。

 

 

 

・2017年8月9日デビュー、ばあちゃる氏。

 名実ともに世界初の男性VYT。

 

・2017年9月12日デビュー、ねむチャン。

 世界初の個人系VYTでもあり、世界初の2D系VYTでもあり、

 恐らくは世界初のボイス変換系VYTでもあり、

 そして世界初の女性アバターを使用した、演者が...ここから先は自重。

 (ねこますサンはともかく、ねむチャンを男性VYTに数えるのはちょっと抵抗が...。)

 

・2017年11月8日デビュー、ねこますサン。

 四天王でただ一人の男性VYT。

 そして恐らく、個人系では世界初となる3Dモデルを採用したVYT。

 

・2017年12月15日デビュー、さはなic。

 最初は首から上だけのモデルで出発し、少しずつバージョンアップを重ねていった。

 スタートは2Dからで、3D化したのは恐らく 2018年1月20日からかな?

 

・2017年12月22日デビュー、ピーナッツくんic。

 個人では4番目、企業含めると5番目の男性VYT。

 ただし、自分の口から出した言葉に責任を取らせるならば、

 彼のデビューは 2018年3月27日以降、という事になり、

 最悪の場合、まだVYTですらない。

 

・2017年12月23日デビュー、のらきゃっとチャン。

 ニコニコ動画から移動してきたVYTで、ねこますサンの盟友とも呼ぶべき存在。

 

・2017年12月28日デビュー、馬越健太郎クン。

 完全な人型ではなく、見ての通りケンタウロスのVYT。

 

・2017年12月28日デビュー、霊電カスカちゃん。

 彼女はもちろん女の子だが、同じチャンネルで兄がデビューしたので取り上げた。

 兄の方は 2018年1月6日にデビューした、霊電チアキ君。

 だから実際には、この後の3人が繰り上がる形となる。

 また、1月に入ると他にも男性VYTがデビューしているはずなので、

 チアキ君がDD君の直ぐ後ろに入るというわけじゃない...と思う。

 

・2017年12月29日デビュー、ありしあ君。

 女性アバターを使用しており、演者は男性だと明確にしているVYT。

 初めての生放送に、ミライアカリちゃんが顔を出したので大喜びしていた人物。

 口癖は「ワンチャン」。

 

・2017年12月30日デビュー、つんこ君。

 ありしあ君のリアルの親友...だった気がする。

 

・2017年12月31日デビュー、DD君。

 世界初の「完全人型」の男性VYT、との事らしい。

 

 

...順番的にはこれで合ってるかな?

ただし、2017年12月デビュー組に関しては、これ以外にもまだ確実にいると思う。

 

 

 

それから最後に、ねこますサンの事で少し補足がある。

 

以前の記事で「ねこますサンが過去に何をしていたのか検索しても出てこない」と書いたと思ったんだが、よく見たら本人のチャンネルに古い動画が残ってたわ。

時間がないので見れなかったが、初投稿は 2015年6月8日となっている。

当然だが、ピーナッツくんicよりも遥かに早い。

 

だが、それでもあえて、2017年11月8日にVYTとしてデビューする事を宣言している。

 

彼がVYTという存在を、単なる個々の「技術」としてではなく、もっと大きな枠組みの「ジャンル」として認識していた事が、この一連の行動からよくわかるのではないだろうか。