世界で2人目のバーチャルYouTuberは誰なのか
本日の記事はタイトルにある通り、世界で2人目のバーチャルYouTuberは一体誰なのか?
というテーマで記事を書かせてもらった。
VYTの元祖に関する議論はちょくちょく目にする割に、不思議と「2人目」について議論している人を見た事がなかったため、とりあえず俺が自分で調べる事にした。
時間の許す限り正確に調査したので、ぜひ読んでいってくれ。
ただ、調査そのものよりも難しかったのが、いかに私情を挟まずに客観的な結論を導き出せるのか、という点。
調べれば調べるほど、みんな本当に良い子ばかりで、どうしても情が移ってしまうからな。
単に日付を追うだけならば私情が入り込む余地などないのだが、VYTの条件には必ず精神性の話が付きまとうため、通常の調査とは性質が大きく異なってくる。
まあそこは読んだ人が各自で勝手に判断してくれたらいい。
それと今回の調査だが、俺一人で全部やるのはどだい無理な話なので、VYTの年表を掲載しているサイトを幾つか参考にさせてもらった。
VYTというジャンルが誕生してから既に一年半ほど経過しているが、今回のように何か調べ物をしようとした場合、月日が経てば経つほど正確な調査がどんどん困難になっていくものだ。
年表をネット上に掲載した人達も、それがわかっていたから急いで年表を作ったのだと思う。
こんな個人ブログではあるが、10年後のVYTファンが調べ物をする際に参考にできる程度の情報は残しておけたらなと思ってる。
それから、調査するに当たって「VYTの条件」を設定する必要があるわけだが、
まず当然の事だが「バーチャルYouTuberというジャンルが誕生した後」にデビューした者に限定させてもらう。
キズナアイちゃんが元祖という前提で「2人目は誰?」というテーマの記事を書くわけだから当然なんだがな。
それと、バーチャルYouTuberというジャンルが誕生した直後の期間は、YouTubeという名前がジャンルの条件に深く関わってくると考えるのが自然なため、YouTube以外の動画サイトで活動を行った者に関しては、あえてVYTとしてカウントしない事とさせてもらう。
ブーム後にVYTが激増して活動の場が広がった今となっては、みんな自分の好きな動画サイトで活動しようとするため「VYT=YouTube」とは言い切れない状態となってしまったが、
当時と今とではまるで状況が違う。
よって、ここはきちんとラインを引かせてもらうぞ。
もう少し具体的に説明すると、VYTというジャンルの定義は、ジャンル誕生直後と、ブーム到来後とで、2段階に変化していると考えてほしい。
(※もちろん俺個人の意見だぞ。 定義を決める資格はキズナアイちゃんしか持ってない。)
ジャンルが誕生した直後というのは、ジャンル名に「YouTuber」と入っていたため、他の動画サイトで活動していた人たちもVYTを名乗るためにYouTubeに移動してきた。
ねこますサンや、のらチャンとかもそうだよな。
結果、人材がYouTubeに集約されていった。
そりゃあ初めは「何がVYTだよ! こんなの昔からやってた人いるじゃん!」と叩く人もいただろうけど、結局みんなYouTubeに移動してきただろ?
つまり、みんなわかってたんだよ。
キズナアイちゃんがジャンル誕生を宣言した事で、何か新しい事が始まるって。
VYT誕生以前は「技術」としてしか認識されておらず、誰もこれを「ジャンル」として認識してはいなかった。
でもキズナアイちゃんが、みんなで育ててきた数々の技術を一ヶ所に集めて名前を付けた。
だから、そこから全てがスタートしたんだ。
だけど、ブームが到来して総人口が激増してからは、どこの動画サイトで活動しようと、そしてVYTを名乗らなくても、VYTと同様の活動を行う者の事をVYTとして扱う、と自然と認識されるようになっていった。
つまり、ジャンル誕生直後とは状況が変わった。
そういう事情があるので「ジャンル誕生の直後から、ブームが来て人が増え、VYT達が活動の場を拡大する辺りまでの期間」に関してだけは、VYT誕生よりも前からVYTに近い活動をしていた人たちとの「境目」が曖昧なために、どうしても明確なラインを引いてやらないと、誰がVYTで、誰がVYTではないのかが、わからなくなってしまう。
当時は、たとえVYTと同じ活動をする人であっても、それが全員VYTだったわけじゃなく、
「VYTだった人」と「VYTじゃなかった人」が実際にいたわけだから。
という事は、この2つをきちんと区別しないと正しい年表が作れないわけだよ。
だからVYTの定義を「キズナアイちゃんの後でデビューした人物」である事と、
他の動画サイトでの活動は含めずに「YouTubeでの投稿開始日」に限定する事、
の2点でラインを引かせてもらう事にした。
この2つのラインが、当時の複雑な状況の中でも「VYTだった人」と「VYTじゃなかった人」の違いを教えてくれるはずだから。
もちろん、定義が途中で変化するのは「一貫性がない」と思う人もいるだろうが、黎明期には黎明期の一貫性、ブーム後はブーム後の一貫性があれば問題ないと考えている。
慣れない内は紛らわしくて混乱するかもしれないが、考え方としては、法律が時代に合わせて改正されていくのと一緒だな。
それから、今回の記事では「YouTubeで活動していても、バーチャルYouTuberと明確に名乗っていなかった者」に関しても、当時の状況から配慮し、VYTとしてカウントさせてもらう事にする。
今でこそみんな普通にVYTを名乗っているが、ブーム前にデビューした人達はVYTを名乗りづらい所があったと思うのだ。
例えば、VYT以外の何者でもない、四天王の一人であるシロちゃんですら、自己紹介動画の概要欄では「バーチャル世界のYouTuberです」と何やら微妙な表現を使ってる。
しかし、これは当時の状況を考えると仕方のない事だと思う。
ブームで人口が増えた事でなし崩しになってしまったが、まだVYTが周りにいなかった時期に、堂々とキズナアイちゃんと同じVYTを名乗ってデビューできるだろうか?
普通の神経なら「勝手に名乗っちゃっていいのかな?」と遠慮するもんだ。
その「遠慮」の結果が「世界の」という3文字を間に挟むという形で出ただけ。
そもそもシロちゃんの所は「キズナアイちゃんを見て始めた」と言ってるくらいなので、当然その心はVYT以外の何者でもない。
この「キズナアイちゃんを見て始めた」という点に関してはルナちゃんも同じだよな。
彼女は自分の事を「バーチャルYouTuberと名乗った事はない」という旨の発言をしているため、俺は凄く不安になってるんだが、単にYouTubeに縛られずに活動したい、という意味であると信じたい。
さて、前置きはこのくらいにして本題に入ろうか。
では候補者を書いていくぞ。
・フニーちゃん。
台湾から誕生したVYT。
彼女の名前に使われている漢字は日本の漢字には無いものらしいので、
申し訳ないがカナ表記とさせて頂く。
彼女は海外のVYTという事もあり、日本との接点がどうしても少ないため、
日本のVYTファンとの心の距離を感じてしまう時がある。
彼女の方から日本に向けて何度かアプローチしようとしてくれた気配もあるが、
あまりちゃんとした双方向のやり取りができていなかったように思う。
テレビと違ってインターネットは世界と繋がっているのだから、
いつか世界中のVYTが一つに繋がる日が来れば良いのだが、
それはもう少し先の話になりそうかな。
・バララ・エドワーズちゃん & カレン・メローラちゃん。
この2人は「バララとカレン」のユニット名の方が有名かもしれない。
と言っても、正式なユニット名なのかどうかは不明だ。
一応、YouTubeのチャンネル名は「channel ぷりが」となっており、
ツイッターの方では「バララとカレン」となっているな。
番組には2人しか登場していないが、イラストには5人の少女が描かれているので、
本来は5人のユニットで、その中から2人が選出された、という事だろうか?
この時期に3Dモデルを2人同時に動かしている点と、
5人の少女達が描かれているイラストなどから見ても、恐らく企業系のVYT。
調べても詳しい事はわからないのだが、
どうやら中国のゲームに出てくるキャラクターらしいんだよな。
ちなみに、世界初の多人数バーチャルYouTuberではないかと思われる。
・鈴木あんずチャン & 白藤環ちゃん。
この2人は「あんたま」のユニット名の方が有名かもしれない。
後に3人加わって「えのぐ」となる。
・電脳少女シロちゃん。
候補者の中では唯一の四天王。
・ばあちゃる氏。
世界初の男性VYTだが、男女合わせると果たして何番目になるのか?
・のらきゃっとチャン。
早くからニコニコ動画で活動していた事が、VYTとしての活動を遅らせた可能性があり、
その活動に明確な区切りが見えづらいため、非常に立場が難しい存在となっている。
・ときのそらチャン。
VYTとしての活動開始時期はそこまで早くはない。
しかし、ある理由でこの子も少し立場が複雑になっている。
...以上、候補者は全9名(全7組)。
この9名の候補者は、上にも書いた通り、複数存在する「バーチャルYouTuber 年表」系のサイトを参考にして選出したものだ。
例えば、全くの無名なVYTとか、一回だけ動画投稿して撤退したVYTとか、既にアカウント削除したVYTとか、YouTube側にアカウントを削除されたVYTとか、そういうケースに関しては本人から証拠付きで名乗り出てもらわない限り、こちらは存在を知る事もできない。
だから、複数の年表サイトを元にしつつ、後は俺自身が自分の目でYouTubeの日付を確認して回った上で、今回の記事を作ってる。
そういう意味では「絶対に漏れがない」とは言えないんだが、正直これ以上は不可抗力だと思ってくれ。
それと、もう一つ。
もし早期に海外の方で「キズナアイちゃん誕生後にデビューした、転向組ではないVYT」で、なおかつ「YouTube上で活動」しており、なおかつ「自分はVYTである」と立場を明確にしていたVYTに該当する者がいたとしても、残念ながら日本から観測できていない以上、今回は外させてもらう事にした。
VYT発祥の地が日本である以上、日本国内から観測できない者は対象外として扱う以外にない事をわかってほしい。
何しろ、VYTというジャンルは存在するものの、VYTとしての基準を満たしているかどうかを審査する機関はまだ無いし、VYTデビューの日付を届け出る為の協会だって無いわけで。
そうなると、世界中に無数に存在するYouTubeのチャンネルの中から、全てのVYT候補を自力で探し出すしか手がないわけだが、そんな事はできるはずがない。
本人の自己申告以外に全世界のVYTをこちらで調べる手段は恐らくないだろう。
だが、ありがたい事にVYTのメッカはここ日本だ。
そして海外の人達は、日本のサブカルチャー(というより、シークレット・ハイカルチャー)に関しては、たとえ気に入っても自分達が作る側に回るよりも「見て楽しむ」傾向が強い。
その為、作り手が日本一強になりやすい市場だと思う。
だから今回も恐らく、海外組より国内組の方が動くのが早かっただろうと考えてる。
そういう意味では、たとえ国内メインの調査であっても、結果的に世界2位を決めるレースは成立すると見た。
ただし、気がかりがないわけではない。
キズナアイちゃんの人気は、国内よりも先に、海外でスタートを切った印象があるからだ。
だから、海外発のVYTが先に誕生していた可能性もあるわけだ。
が、上にも書いた通り、海外は「日本発の文化は、作り手に回らず、見て楽しむ」という傾向があるため、最終的に「やはり国内のVYTが先行した可能性の方が高い」と判断した。
話が長くなってしまったが、その辺の事情もある為、海外発のVYTで確認できているのは、
「バララとカレン」の2人とフニーちゃんだけ、と思ってほしい。
では以上の事を踏まえた上で、俺の調べた事を一つ一つ書いていくぞ。
ちなみに、記事の進め方に関してだが、別に上記の紹介順に書いていくわけじゃなく、俺が説明しやすい順番に書いていこうと思うので、そのつもりで読んでほしい。
では最初は、ときのそらチャンから。
彼女がYouTubeでスタートした日付だが、2017年9月7日となっている。
当然だが同年8月スタートの候補者が揃っている中では、これは遅い部類に入る。
所が、彼女の「開発中の映像」が、カバーさん(そらチャンの会社)の方で 2017年5月22日に公開されている。
...されてはいるのだが、YouTubeではなくツイッター上であり、更に公開している人物はスタッフの男性で、そのため操作しているのはこの男性だと思われ、しかも映像には声がなく、キャラの名前すら見当たらない。
残念だが、これでは現在のそらチャンと、過去の映像のキャラとが「繋がらない」と言わざるを得ない。
だがそれ以上に、あの 9月7日の配信で彼女の口から出た「初めまして」の言葉と、そして震える声で必死にしゃべろうとする彼女を見れば、ときのそらチャンの真のデビューがいつなのか、彼女の本当のファンならばわかるはずだ。
よって、ときのそらチャンのVYTデビューは 2017年9月7日とさせてもらう。
次は、のらきゃっとチャン。
のらチャンは年表で見る限り、ニコニコ動画で2017年4月15日に配信開始、となっている。
で、この件に関しては上にも書いた通り、YouTube以外の動画サイトでの活動となるので、
当時の状況を考えると、バーチャルYouTuberとしては「ジャンル外での単独の活動」として扱うしかない。
ニコニコ動画での早期からの活動を「バーチャルYouTuber」として認めてしまうと、ジャンルの根底から崩れる危険性があるため、あくまでも「VYTに近い活動をしていた個人」としてカウントさせてもらう。
結局、この話はジャンルの定義を「ふりだしに戻る」にしてしまうんだよな。
ニコニコ動画では何年も前からVYTに近い活動をしていた人がいるわけだから、
のらチャンのニコニコ動画でのキャリアをそのままVYTとしてカウントするって事は、
「2人目のVYTは誰か?」どころか「世界初のVYTは誰なのか?」に戻されちゃう。
だから、のらチャンの場合は「YouTubeデビューの日」に定めさせてもらう。
では、のらチャンのYouTubeデビューはいつかという話なんだが、年表を見る限り、
2017年12月23日となっている。
今回の記事は可能な限り自分の目で確認する事に決めていたので、
日付確認のために のらチャンのチャンネルに行ってみたのだが、なぜかモデルが新しくなる前のアーカイブが見れなくなっていた。
まさか消したのか? それともバグか?
何度更新しても結果は同じで、新モデル登場前のアーカイブは一つも見れない。
のらチャンの配信はYouTubeでデビューしてからしばらくの間は全部見ていたから、
俺の思い出だって詰まっているのに、なぜアーカイブを消してしまったのか、と思いつつ、
ひたすら検索しまくってたら、どうやら一時的に非公開設定にしただけらしい。
YouTubeにそんな機能があったなんて知らなかったわ。
しかし焦ったぜ。
のらチャンが勇気を振り絞ってみんなの前に戻ってきたあの日の配信も消してしまったのかと思ったわ。
とりあえず、のらチャンのYouTubeデビューは2017年12月23日という事で話を進める。
それじゃ次は、あんたまの2人。
この2人は「VRアイドル」と名乗っているが、もう何度も説明している通り、この手の言葉は全て「VYTという大ジャンルの中に含まれる小ジャンル名」として扱う事にしてるから。
で、あんたまの2人のYouTubeでの初投稿日だが、これは 2017年8月12日。
つまりシロちゃんの自己紹介動画と同じ日に当たる。
初期からいるという認識ではあったんだが、世界で2番目の可能性があるほど早いとは思わなかったので少し驚いた。
ただ、この初投稿の動画なんだが、いわゆる自己紹介の動画とは全然違う。
はっきり言うと「通常の動画」とは全く違う性質の動画であるため、もしかしたらこれよりも前の動画がどこかにあるのではないか? と疑ってしまう。
そもそも2人はこの日付よりも前から活動しているようなので、そういう意味では「アイドルとしてのデビュー」は8月12日よりも前という事になるだろう。
しかし、だ。
アイドルとしてのデビューと、VYTとしてのデビューは全く別の話だ。
その人がVYTとして正式に活動する以前、どのような活動をしていたかは、ここでは何の意味もない。
例えば、キズナアイちゃんがデビューするよりも遥か前から、匿名でツイッターやブログをやっていた人が、今になって「VYTとしてデビューするよ!」と言い出したとしようか?
つまり「3年前から温めていた構想を、今こそ実行に移すよ!」みたいな事を高らかに言い放ってVYTデビューしたとしたら、じゃあその人は元祖VYTになれるのか? という話。
いや、何年前からツイッターをやっていようが、その人が実際にYouTubeに動画を投稿しない限りはVYTじゃない。
それをVYTとして認めてしまったら、幾らでも詐欺が可能になってしまう。
実際の所、YouTubeに動画を投稿する前に、先行してツイッターで準備期間を過ごしているケースは実に多い。
しかし彼らのツイッターの開始日をVYTデビューの日として認めてしまったら、これもやはり詐欺が可能になってしまう。
そもそも、そういう「準備期間」も認めるという事は、例えば企業などは半年以上前からキャラデザやモデル製作などの準備期間を設けてるだろうから、その準備期間のスタートをデビューの日付として認めるべきか、という話にまでなってくる。
だから、プロジェクトの準備期間もツイッターの開始日もVYTデビューとは切り離す必要があり、焦点は「いつYouTubeに最初の動画(もしくは生配信)を上げたのか」という一点だけに絞られる。
結局は「バーチャルYouTuber」なのだから、ツイッターでデビューした日付ではなく、
YouTubeでデビューした日付で勝負しなけりゃ意味がないのだ。
ツイッターはあくまでも「主従」の「従」であって、YouTubeこそが「主」だからな。
そもそもツイッターやってる人をYouTuberとは言わん。
簡単な話だ。
ツイッターで映画の上映開始日を告知しても、実際に「映画館」で映画が「上映」されるまでは、その映画は記録として残らないのと一緒だ。
この場合の「映画館」は「YouTube」で、そして「上映」が「動画の投稿」に当たる。
要するにそういう事だ。
という事で、あんたまの2人のデビューは 2017年8月12日とさせてもらう。
(あれ...? 何か、あんたまの2人が悪い事でもしたかのような文章になってるぞ...?)
さて、次は「バララとカレン」の2人だな。
この2人は早いぞ。
2017年8月1日にYouTubeに初投稿しているからな。
ただし、残念ながら現在は活動休止となっている。
最後に上げた動画は2017年9月29日で、ブームが来る前に事実上の撤退という形。
一歩間違えばシロちゃんもこうなっていたと考えると寒気がするわ。
企業系が個人系と違う所は、売れなかったら売れなかったで趣味として続ける、という選択肢が存在しない事だ。
演者個人は趣味で再開する事もできるが、その時は権利の関係でそのキャラクターとはサヨナラするしかない。
そんなわけで「バララとカレン」の2人は2017年8月1日がデビューとなる。
さあ次は、ばあちゃる氏の番だ。
実は彼、2017年12月31日の自身の動画の中で、
「恐らく、世界初の男性バーチャルYouTuber」
「恐らく、日本で2番目にデビューしたバーチャルYouTuber」
という旨の発言を行っている。
ばあちゃる氏はいつも「世界初の男性バーチャルYouTuber」と名乗っているが、もう一つの発言に関しては普段はあまり言わない台詞かもしれない。
ちなみにこの動画では「日本で2番目」と発言しているが、ネットのインタビュー記事では「世界で2番目」と発言した事がある。
ただ、こちらは文字だけのインタビューなので、編集者のミスという可能性もないわけではない。
それはそうとして、肝心の彼のデビューだが、これは 2017年8月9日であり、
シロちゃんの自己紹介動画の3日前の日付になる。
これだけだと、ばあちゃる氏はシロちゃんの少しだけ先輩、という印象だ。
ばあちゃる氏はシロちゃんが本番に挑む前のテスト担当、というイメージがあるので、先にテストを兼ねてスタートさせた可能性はある。
しかし、本当に先にスタートを切ったのはシロちゃんの方だと判明した。
それについては後で書く事になるが。
とりあえず、ばあちゃる氏のデビューは 2017年8月9日とする。
そしていよいよ、残りは2人。
まずは台湾出身のVYT、フニーちゃん。
彼女のYouTubeデビューは 2017年7月5日。
これは早い、本当に早い。
今まで俺は、なぜか彼女の事を「VYTブームの直後くらいにデビューした子」だと思い込んでいたわ。
海外発のVYTという事で情報があまり入ってこなかったせいかもしれないが。
で、7月5日でも充分に早いのだが、彼女の場合、実はYouTubeよりも先にYahooTVという所でデビューを済ませてるから余計に早かったりする。
ちなみに、そのYahooTVでのデビューは 2017年6月30日で、YouTubeデビューとそこまでは違わない。
YouTube以外の動画サイトはカウントするつもりはないのだが、何となく義務感で見に行って調べてきた。
しかし、漢字が一部しか読めないのと、使い方が全くわからないのとで、しばらく粘ったものの、結局調査を断念する事にした。
そもそも俺はこのYahooTVってのが何なのかよくわからん。
名前にTVと付いてるけど、単なる動画サイトなのかね?
いずれにせよ、フニーちゃんの主戦場は恐らくYahooTVの方だと思うので、立場的にVYTを名乗りづらい身だと思うから、もしかしたら彼女はVYTだと名乗っていない可能性がある。
だけど、わざわざYouTubeの方でアカウントを取ってる事からも、VYTとして見てほしい、という彼女からのメッセージのように俺は受け取ったので、今回の記事ではフニーちゃんをVYTとしてエントリーさせてもらった。
まあ、どう見てもVYTだしな。
というわけで、フニーちゃんのYouTubeデビューは 2017年7月5日だ。
それでは最後の一人、シロちゃんの調査結果を書いていくわけだが...。
恐らく殆どの人が、シロちゃんが今回の記事にエントリーされているのを見て意外に感じている事と思う。
というのも、彼女は「8月に自己紹介してから毎日動画を投稿し続けている」というイメージが強いからだ。
つまり最古参の一人である事は知っているが、2人目を決めるレースに参戦する程ではない、という印象。
そもそも「ばあちゃる氏よりも数日だけ後輩」というイメージが強いと思うし。
しかし、実はシロちゃんの活動時期は2段階にわかれており、これが思った以上に彼女の正しいデビュー日を混乱させている。
1・2017年6月28日「踊ってみた」 (単独で世界2番目のVYT)
2・2017年7月5日「踊ってみた」 (フニーちゃんと同日)
3・2017年8月12日「自己紹介」 (「あんたま」の2人と同日)
これが、シロちゃんのチャンネルに刻まれている正式な記録だ。
まず1と2なんだが、実際の所はわからないが、一見するとテスト投稿のように見える。
しかし1の動画の説明を見ると「ダンス動画サイトのダンスストリームとのコラボ」とある。
コラボでテストというのも失礼な話なので、会社的には正式なスタートと考えた方がいい。
記事の上に書いたルールで単純に照らし合わせれば、YouTubeに初投稿した日付で決めればいいだけなので、この時点でシロちゃんが優勝という話になる。
だが、話はそこまで簡単ではない。
このケースは、ときのそらチャンの開発中の映像と被るからだ。
もちろん向こうは男性のツイッターで、こちらは本人のチャンネル。
条件は全く違う。
しかしこの2つの動画は、シロちゃんの魂が実装される前の動画という可能性が高い。
YouTubeで投稿しているし、本人のチャンネルだし、本人の名前だし、問題はないようにも見えるが、VYTに一番大事なのは魂の存在だ。
人形を作り終えた後に、最後に目に墨を入れる、あの魂が宿る瞬間の感覚。
あの1と2の動画に果たして魂は宿っていたのかどうか。
それともただの開発中の映像なのか。
1と2の二つの映像と、3から始まった毎日連続投稿は「繋がる」のかどうか。
俺が最初に気になったのは、1と2は歌声がシロちゃんのものではない、という点。
本人が歌っているわけではなく、いわゆる機械音声のような感じのやつ。
だから「まだ魂が来る前なんだな」と感じて、これだと「繋がらない」と考えた。
しかし、実は連続投稿がスタートする3の後にも「踊ってみた」の動画が投稿されていて、
3以降の 10月15日の動画も、そして 12月15日の動画も、どちらも1と2と同じく機械音声だった。
つまり魂の実装される前と後とで、手法に違いがないという事。
要するに、最初からタイトルにある通り、曲に合わせて踊る所を見せるのが目的の動画であって、本人の歌声かどうかで判断する必要性はない、という事。
今後、新しい「踊ってみた」動画が公開された時にもしシロちゃん本人が歌っていたとしても、既に3以降の 10月15日の動画が機械音声である時点で、この「本人の歌声かどうか」については判断基準からは外す事にする。
いずれにしろ、アップランドさんは「キズナアイちゃんに憧れて参入した」と言っていたわけで、1と2の時点で3に向けた準備をしていたのは間違いない。
要するに1から3の間に、魂を探しつつ(既にいたのかもしれないが)、毎日動画を投稿できる体制を固めていたのだろう。
だから会社としては6月の時点で「シロちゃん出陣!」と心が固まっていたとは思う。
しかし、残る問題は本人の気持ちだ。
本人の中で「自己紹介をしたあの日が私のスタートだった」という認識ならば、
シロちゃんのデビューは8月と考えるべきだと思う。
動画のタイトルにも「はじめまして!」とあるわけだし。
だからシロちゃん自身が、自己紹介動画よりも以前の動画を見た時に、そこに映るキャラクターが自分ではなく「他人」に見えてしまうようなら、それはもう本人ではない。
だから、1と2の動画2本と、3の動画とを繋げる事ができるのか?
という部分に俺はこだわって調査した。
しかし本人の口から直接「1と2の動画もシロです」などという話が聞けるはずもないので
「決め手」になるものを探しに、企業のサイトまで細かくチェックしたりしてたんだが、
「そういえば、動画の日付を調べるだけで実際に動画を見返してなかったな」という事に気づき、自己紹介の動画を久々に見返してみた。
...すると、シロちゃん本人の口から驚くべき台詞が発せられた。
「先日、"踊ってみた" 動画も投稿してみました。
見てくださった方はいるかなー?
ぜひぜひまだの方は今のうちに見に行って、シロの良いところ見つけてくださいね。」
おい、本人の口から過去の動画と繋がる台詞が聞けたじゃねえか。
しばらくモニターを凝視した後、何度も何度も巻き戻しては再生して聞き直したわ。
こちらとしては「さて、これでやっと調査終了だ」と思って安堵したわけだが、何かを見落としてる感覚が抜けなくて、それが何かをずっと考えていたんだが、ようやく思い出した。
以前、アイドル部がデビューする時に「シロちゃんの兵姫紹介」というコーナーを見た記憶があったのだが、そのコーナーが掲載されていたのは、シロちゃんの生まれ変わる前の姿である「少女兵姫大戦」のツイッター上だった。
当時は気にも留めなかったが、そこで俺は遠い昔のシロちゃんを見た記憶があったのだ。
もう一度あのツイッターを見に戻った。
するとそこには、2017年6月28日の日付で、紛れもなくシロちゃん本人からのメッセージが書かれていた。
「はじめまして、電脳少女YouTuberシロです!」
「シロのYouTubeチャンネルで「君色に染まる」を踊ってみたよ♪
頑張ったのでみなさん見てみてね~!」
そしてもう一つ、2017年7月5日の動画投稿日にも、彼女の書き込みが。
「もうそろそろ皆さんとお話ししたいんですが、
もうちょっと準備に時間かかっちゃいそうです」
動画の投稿に合わせてきちんと本人からのメッセージが書き込まれている上に、
シロちゃんの場合、ツイッターは本人に一任されていると聞いているので、
これで俺の中のもやもやした気持ちが全部消えた。
というわけで、シロちゃんのデビューは 2017年6月28日。
世界で2人目のバーチャルYouTuberは、四天王の一角、電脳少女シロちゃんに決定。
最後になるが。
「バララとカレン」の2人に関して補足がある。
この2人は13本の動画を投稿後、そのままフェードアウトして音沙汰なしの状態が続いていた事から、俺はバックの企業が撤退したものと勝手に思い込んでいた。
だから、彼女達は「世界で初めて消えたVYT」になる可能性があるなと思ってた。
が、今回の記事を書くために色々調べている内に、実はツイッターが更新されていた事が判明した。
さすがに気づいてる人は現時点で殆どいないが、それでもコメントがそこそこついてるね。
2018年3月29日のツイッターで、
「まだ私達の事を覚えてくれてる人がいて嬉しかったよ」
「ちょっとね家庭の事情でyoutuberできなくなっちゃって」
「撮り溜めてた動画は3本くらいあるんだけど...
残りを投稿し終えたら本当にサヨナラなのだ」
...だとさ。
ちなみに、彼女達のいう「覚えてくれてる人」というのは、2人がほんのわずかな時間だけ登場するVYTファンが作った動画の事なんだが、この動画の投稿日は3月28日となっており、それを受けてのツイッターへの書き込みが直ぐ次の日の3月29日。
この反応の速さは、彼女達の心がVYTから離れた事がなかった事を意味してる。
つまり、彼女達はVYTが大好きだったのだ。
よせよ...情が移るだろうが。
誰かがバーチャルYouTuberの事を「終わらないアニメ」と言ってたが、
そうか、終わってしまう人もいるんだな。
ん...?
3本 " くらい " ...?