バーチャルおばあちゃんの政治的発言の是非
バーチャルおばあちゃん、というバーチャルYouTuberについて書いておきたい事がある。
俺がこのVYTの名前を最初に知ったのは、電脳少女シロちゃんの2018年2月1日の生配信の時だった。
その配信の中でシロちゃんがこの人の事を「天才」とほめていたので、どのような人物なのか気になり、試しに最初の方の動画を2~3本程度見せて頂いた、という流れになる。
で、動画を見せてもらった感想なのだが。
まず、いわゆるブラックユーモアと呼ばれる政治的なジョークが非常に多く、この手のジョークを受け付けない人には絶対に合わないだろうな、というのが率直な感想だった。
要するに、このバーチャルおばあちゃんは「政治の話題」を売りにしている節があるのだ。
しかしこれに関しては「最初から狙ってやった」というよりも、流れに身を任せている内に自然とそういうキャラに向かって進んでいってしまった、という印象を受けたのだが、本当の所は本人にしかわからない。
しゃべりを聞いている限り、言葉が上手く出てこなくて不自然な間が多かったりするので、この人はシロちゃんのいう天才タイプではなく、純粋な努力家タイプのクリエーターではないかと俺は感じた。
しゃべる訓練を長期に渡って継続してきた人間特有の話し方をしているように俺には見えたので。
誤解するなよ?
天才じゃない、という書き方だと貶めているように取られるかもしれないが、俺はそもそも天才という言葉を誉め言葉とは思っていないからな。
天才とか努力家という表現は、単にクリエーターの性質を表す言葉でしかない。
彼の場合は「努力家なのに、周囲に対し天才と思わせた」という時点で、彼がそれだけ優秀だって事の裏付けになると思ってくれ。
そもそも天才だろうが努力家だろうが、要は最終的に「優秀」と呼ばれる状態までたどり着いてしまえばいいだけの話だ。
結果として、彼は努力によってそこまでたどり着いたんだろう。
少しだけ彼の事を調べてみたんだが、
どうやら「すあだ」という人物がバーチャルおばあちゃんを演じているとの事だ。
ニコニコ動画で活躍するクリエーターだそうで、あっちの方では結構有名な人物らしい。
が、俺はニコニコ動画は一度も見た事がないのでよくわからん。
たまにサイトとかで貼られてるからクリックした事はあるんだが、YouTubeとは違い、
ニコニコ動画って会員登録しないと見れないサイトらしく、クリックすると表示される「登録して下さい」みたいなメッセージを見て「ああ、ニコニコ動画か」と初めて気付く感じ。
ちなみに、彼はクリエーターとしての評価はかなり高い人物との事で、その点から考えても、彼はきっと炎上目的で政治発言を持ち込んだわけじゃないとは思う。
数本しか動画を見ていないので詳しくはわからんが、彼はクリエーターとしてのプライドを高く持っている人物だと感じた。
いわゆる炎上などの汚い手法を好まず、ちゃんと中身で勝負するタイプのクリエーターに見受けられる。
で、ここから本題なんだがな。
俺が今回書きたいのは、VYTが「政治の話」をする事についてなんだ。
彼は動画の中で「アングロサクソン」とか「朝鮮人」などの言葉をぽんぽん出してくるんだが、もちろんここは日本だから言論の自由は認められている。
だからそれ自体は別にいいんだ。
VYTにも多様性が必要だ。
政治や歴史の授業をVYTを通して学ぶ、というのも悪くないと思う。
学校の先生は当たりもあれば外れもあるわけだが、VYTなら理想の先生になれるからな。
だけど、彼のしている事は本来の歴史の授業とは違う。
あれではただの、国ごとに異なる歴史観を下敷きにした他民族への挑発行為に他ならず、
これだと話が大きく変わってくる。
はっきり言うと、オリンピックに政治の話を持ち込む事が禁じられているのと一緒で、
俺としてはバーチャルYouTuberワールドに生々しい政治や歴史の話を持ち込んでほしくない。
VYTというものは、仕事で疲れて帰ってきた人達にとっての一抹の清涼剤であってほしい。
俺個人の価値観を押し付けて本当に申し訳ないけどね。
でも考えてみてほしい。
ここは経営者も警備員もいないテーマパークのようなものだと思わないか?
ディズニーランドの中で「これがマスコミの報道しない真実だ!」とビラを配る事が果たして倫理的に許されるのか、という話。
彼の発言内容が正しいか間違っているかは問題じゃない。
生々しい政治の話を持ち込んでる事自体が問題なんだ。
VYTワールドの外の世界で起きている争い事を、VYTワールドの中でも再現してしまったら、一体何のための電脳世界なのか、とは思わんか?
外界にある汚れた物を勝手に中に持ち込まれてしまったら、新天地を作った意味がなくなってしまうんだよ。
俺はVYTワールドの事を、争ってばかりいる人類が見つけた、ただ一つの世界平和への道だと考えてる。
だから、喧嘩なら外でやってくれよ。
誤解されたくないのでもう一回書いておくが、政治的発言自体は構わないんだぞ?
彼には発言の自由があり、政治的思想は彼の人権として国家にちゃんと認められている。
だから俺のこの意見を無視するもしないも、最終的に決めるのは彼自身だ。
俺に許されているのは、ただこの記事を書く事だけ。
もう一度言うが、YouTubeを使って何をするかを決めるのは彼だ。
だけど、なぜそれを「バーチャルYouTuber」としてやる必要があるのだろう、と言いたいんだ俺は。
なぜそれをわざわざ夢のテーマパークの中でやるのかと。
もしやるのであれば、ただの「YouTuber」としてやってはくれないだろうか?
もちろん政治的発言には危険が伴うものだから、顔も名前も出す必要は一切ない。
匿名で政治活動を行う事は何一つ卑怯な事ではないからだ。
だから彼が満足するまで一人のYouTuberとして活動してくれ。
俺はただ、バーチャルYouTuberという名前を経由せずにやってほしいだけだ。
※彼がもし今のスタイルを変えたくないのであれば、
せめてチャンネル名の変更だけでもお願いしたい。
例えばYouTubeのチャンネル名を「すあだのバーチャルおばあちゃん劇場」に変更し、
あくまでも演者が人形劇を行っている、という前提で配信するようにする。
後は上にも描いた通り、VYTではなく一般YouTuberとして活動して頂きたい。
そしてジャンル変更に伴い、ランキングのカテゴリーも、
VYTランキングから通常のYouTuberランキングへとカテゴリーを移動させる。
可能なら、この2点だけでもお願いしたい。
もちろん決めるのは彼自身だが。