全てのバーチャルYouTuberに幸あれ

 

何やら最終回のようなタイトルになってしまったが、まあいい。

 

実は少し前にな、どこかのまとめサイトで見た記憶があるんだが、現役のVYTが書いたと思われる、少しむかつく内容の記事を見た覚えがあってね。

ふとそれを思い出したので、今回はそれに対する俺の考えを書いてみたいと思う。

 

 

どこかの個人系VYTが「俺はちゃんと3D勉強して頑張ってるのに、にじさんじみたいなトークだけの奴等がもて囃されて辛い」みたいな愚痴を書き込んでたんだよ。

俺が見た時点では、そのコメント欄は彼を慰めるような書き込みの方が多かった記憶がある。

 

一応、記事を書く前にもう一度探してみたんだが見つからなかったわ。

相変わらず俺は検索が下手だなと思う。

 

 

それにしても、これはいつも思う事なんだが、にじさんじって本当に気の毒だよな。

3Dを使わずにトークだけで伸し上がった、と言うならば、そんなもん個人系VYTの大多数にも同じ事を言えよなと思う。

こうやって、あえてにじさんじの名前だけを出すって所に、相手が企業だから抵抗できない事を知ってて名前を出してる卑劣さを感じるわ。

 

必死で努力している他人に対し「楽をしている」とレッテルを貼るのはやめろよ。

 

彼らは厳しいオーディションを潜り抜け、ようやく配信環境と自分のキャラクターを手に入れる。

ようやくデビューにこぎ着けても、台本なんかないし、トラブル時のフォローも何もない。

自由と言えば聞こえは良いが、要は自己プロデュースの世界だよな。

現在の所はそれが良い方に転んでヒットした訳だが。

 

この手のやつに俺が言いたいのは、お前は「来週の日曜日に3万人集めて生配信行うから、全部一人で準備しておけ」と会社から指示されたら、お前は一人でやれんのか、と。

会社の飲み会の幹事やるのとはわけが違うんだぞ。

大量のアンチだって押し寄せてくるんだからな。

 

自分が3Dの勉強した事を、相手への攻撃材料に使うのをやめろよ。

 

 

話は変わるけど、俺は暗記をするのが凄く苦手な人で、例えば会社の朝礼当番なんかも毎回毎回苦労してる口だったりする。

当番の時などは、それこそ一週間も前から原稿作ったり、しゃべる練習したりと、本来の仕事に影響が出るくらいに時間を朝礼に持ってかれる。

ただの社内向けの朝礼なのに。

 

それでも、そこまでしても、実際にしゃべる時間はほんの5分足らずなんだわ。

 

だから、そんな一般人の俺からしたら、何時間も一人で生配信する人間がこの狭い日本にごろごろいるという事実は驚愕物だよ。

 

だけど彼らだってやっぱり俺と同じ人間で、初めて配信する時、どれほど怖かったろうと思う。 

企業だからと注目を浴びる中、何千人もの前で、震える声を必死で抑えて何時間も一人でしゃべり続けるのは、もはや想像の範囲を越える「恐怖」だわ。

 

 

勇気ちひろチャンなんて「企業だから登録者数を金で買ってるに決まってる」というイチャモンつけられて、生配信中に集団で襲われた事まであるんだぞ。

企業だからというだけの理由でだ。

 

リアルタイムじゃないんだけど、動画をあげてくれた人がいたので、後から知って俺も見せてもらったんだが「オリガミ」とかいうアカウントの、新種のバッタみたいな気色の悪い笑い方をする配信者と、その手下達に生配信中に襲われたんだ。

 

それでも彼女は最後まで自分のキャラクターをきっちり守り抜いたため、事情を知らない人が端から見ていると「幼女に襲いかかる変質者たち」という地獄絵図になってしまったが。

 

 

それはそうと、同じにじさんじでも、一期生と二期生の間には大きな違いが存在する。

それは、一期生は先駆者だという点だ。

どの分野でも先駆者が偉大とされるのは、彼らが理不尽な理由で叩かれるからなんだ。

 

アウェーで好奇の目に晒され、普通に生活してたらまず経験する事のない要らぬ恥をかき、心がじりじりと確実にダメージを受け、それでも負けずに自分達の居場所を確保し、そして後進達の道を整備する。

 

業界に後から入ってくる者は、まず恥をかかずに済むから傷つかないし、その上、先人達のノウハウを受け継いだ状態からスタートできる分、先にいた者よりも能力自体が高くなる場合が多い。

にじさんじの全員をちゃんと見てないので、あまり適当な事は書きたくないが、

恐らく単に能力だけならば、一期生よりも能力では上の二期生が多いのではなかろうか?

 

だが、人間の強さは能力だけでは決まらない。

もし二期生が逆の立場、つまり先駆者の立場だったなら、彼らは恥に耐えて自分の居場所を最後まで守り抜く事ができたのだろうか、と思うのだ。

 

こういう事を書くと、じゃあ二期生は一期生よりも楽をしているのか? という話になるが、

もちろんそんなはずはないわけで。

 

例えば、宇志海いちごチャンを見てみろ。

この子は、一生使う大事な喉を犠牲にしながら配信してる。

あれは見てて本当に危機感を覚えるレベルで、何というか、本気で彼女の生きざまを感じたわ。

 

彼女だって、自分がただの「いち個人」なら「今日は配信休もうか」って言えるんだよ。

だけど企業の看板背負ってるからやるしかないんだ。

 

 

なあ、上記の書き込みをしたお前。

お前は3Dの勉強で喉が潰れるのか?

お前は企業の看板背負って数千人の前で撮り直しの効かない生配信ができるのか?

滑舌良くしゃべるスキルも、大勢の前で震えずにしゃべる度胸も、客を満足させてリピーターにする力も、お前にはあるのか?

 

これらは技術と努力の最たるものだと俺は思うが、お前はそうは思わないのか?

お前は確かに3Dの勉強をしたんだろうが、じゃあ3D以外の勉強をどれだけしたんだよ。

 

お前の言ってる事はな、漫画家が小説家に向かって「絵も書けないくせに、俺より高い評価を受けるのはおかしい」と難癖つけてんのと一緒だよ。

画家が写真家に向かって「楽をするな! ちゃんと自分で描け!」と言ってるのと同じだよ。

 

わかるか?

目に見える技術だけが努力の結晶じゃないんだよ。

3Dだけが技術じゃないし、3Dだけが努力じゃないんだ。

世の中にはお前の知らない技術も、お前の知らない努力も沢山存在するんだ。

 

ここまでやっている人達を見て「楽をしてる」と感じるのなら、本当に楽をしてるのはお前の方なんだよ。

今のにじさんじの躍進は、彼ら自身の努力の賜物以外の何物でもない。