バーチャルYouTuberの元祖は誰なのかという重要な問題
以前からチラチラ見かける「バーチャルYouTuberの元祖は本当にキズナアイなのか?」という議論に関して俺なりに思う事があるので、この件はきちんと正面から取り上げてみたいと思う。
が、記事が少し長くなると思うので、忙しくて読む時間がないぞ、という人のために、先に結論から書いてやろう。
元祖はキズナアイちゃんで間違いないから安心しろ。
...では、ここからはその理由を書いていく。
まずキズナアイちゃんに近い活動を、キズナアイちゃんよりも早くからスタートさせていた人物は、有名どころだけで少なくとも2人は存在する。
・Ami Yamato
・WEATHEROID TypeA Airi
この2名様。
まず、ヤマトアミちゃんの方から書く。
彼女の登場は非常に早く、2011年6月13日には最初の動画を投稿している。
個人なのか企業なのかわからん人物だが、いずれにしてもキズナアイちゃんより大分早い。
ちなみに彼女は自身の事を「ビデオブロガー」と名乗っているらしい。
一番大事な所なので、この辺の情報を詳しく調べようと検索しまくったんだが、俺が検索ベタなせいで上手くヒットしないのに加えて、残念ながら英語の方もからっきしなもんで、幾ら調べてもさっぱりわからん。
だからこの部分に関しては確定情報じゃないので、もし上記の情報に誤りがあったら申し訳ない。
何しろこちとら情弱王なもんで。
(とりあえず"王"を付けとけば体裁を保てると思ってる)
ちなみに彼女は東京生まれの日本人で、現在はロンドン(イギリスの首都)在住とのこと。
また母語は日本語だが、イギリス英語も堪能とのこと。
そしてここからが本題で、実はキズナアイちゃんとの接点が、過去に少なくとも2回あるのを確認した。
まず最初の接点は、2017年5月2日のヤマトアミちゃん自身の動画内。
この動画内で、ヤマトアミちゃんが女性型ロボットと会話を交わすシーンがあるのだが、その会話中にロボットから「あなたの事を知っています、キズナアイさんですよね」的な事を言われる場面がある。
俗に言う「あ、カラスだ」状態だよな。
でもこちらはヤマトアミちゃんの動画内だけで完結しているようで、
この時はキズナアイちゃんとの接触は残念ながらなかったみたいだな。
...と、思う。
俺は検索が下手なので確信がもてん。
そして次の接点だが、相手への接触を試みたのはキズナアイちゃんの方からなのだが、驚いた事に先に話題を持ち出したのは、前回同様ヤマトアミちゃんの方からだった。
まずヤマトアミちゃんが、2017年7月24日の自身のツイッター内で、
キズナアイちゃんの双葉型カチューシャを装着した自身の写真を掲載し、
「これが似合うからキズナアイを尊敬してるのよね。」と自虐的な書き込みをした事が発端となる。
(※呼び捨てで)
そしてこのヤマトアミちゃんの書き込みに対して、
2017年8月7日にキズナアイちゃんが「Amiさんだーー!」と反応した。
(※さん付けで)
実際に2人が会話を交わしたわけじゃない。
2人は時間差ですれ違い、一方通行のやり取りで終わってる。
でも間違いなく2人とも、相手の存在を意識してるのがわかる。
キズナアイちゃんの立場からすると、相手はただのYouTuberではない。
単にCGキャラのYouTuberというだけではなく、彼女はツイッターを使用してファンとの双方向のやり取りを行っているため「ただのCG作品をYouTube上に公開しているだけ」ではなく、活動内容が完全にバーチャルYouTuberとしての条件を満たしている存在。
当時はまだブーム前の段階という事もあり、下手に動けば自身の称号である「元祖」の座をむしり取られる危険性を持つ最たる対象だったはず。
もちろん、別にヤマトアミちゃん自身が奪い取りにくるわけじゃなくて、
当人たちの関与しない場所で、議論の主たちが勝手に、
「ほら見ろ! キズナアイがこの時点で既にヤマトアミを認知してた事は確定している!」
みたいな感じで勝手に話が進んでいく訳ですよ。
だからそういう種々のゴタゴタを避けるためにも、互いに干渉するのをためらうのが普通なんだけど、キズナアイちゃんは接触する道を選んだ。
この気高い立ち回りこそ、彼女を王者の中の王者たらしめている。 (大袈裟)
それにしても、ヤマトアミちゃんの本音がわからない。
彼女は自分の動画内でキズナアイちゃんの名前を出した。
にもかかわらず、その時は接触できなかった。
なのに相手の名前を、今度はツイッター内で再び出したのはなぜなのか。
会ってみたいと思ったのだろうか?
それからヤマトアミちゃんについてもう少し書いておくと、彼女は他のYouTuberに憧れてYouTubeへの投稿を始めた、との事で、他のYouTuberからアドバイスを受けたり、他のYouTuberとの交流もあるとの事から、彼女は完全に「一般YouTuber」側の人間だな、と感じる。
実はこの「本人の心がどこに所属しているか」という要素が極めて重要。
キズナアイちゃんは、デビューしてからの長い月日を、世界にただ一人のVYTとして活動してきた。
だから自分の後に続く新しいVYTが誕生するまでの間ずっと、本人にも見ている側にも「独りぼっち感」があったと思う。
それに対してヤマトアミちゃんは、恐らく本人にも見ている側にも、独りぼっち感がなかったのではないかと思う。
なぜかと言うと、彼女の心がそもそもVYTというジャンルに所属しておらず、最初から一般YouTuber所属だったから。
だって彼女が憧れた対象はVYTではなく、一般YouTuberだったんでしょ?
つまり彼女は、技術面の系譜的にはVYTの先駆者の位置にいるが、精神面の系譜的には一般YouTuberの位置に存在する。
だから結論をいうと、彼女はVYT所属のYouTuberではなくて、一般の「YouTuber」という最大カテゴリーの中に存在する、小カテゴリーとしての「CG系 一般YouTuber」と考えるのが妥当だと思う。
本人も自身の事をVYTとは明言していないらしいしな。
今でこそVYTは「YouTuber」の中の小カテゴリーとしての座に甘んじているが、近い将来、確実に最大カテゴリーとして独立する日がくると俺は考えている。
つまり最大カテゴリーが「バーチャルYouTuber」と「一般YouTuber」の真っ二つに割れる時がくる、と考えている。
そしてその時、一般YouTuber所属である彼女は、VYTとは完全に赤の他人というほど遠い存在になっているだろう。
それからもう一人。
ウェザーロイドというジャンルに所属する彼女に関しても書いてみよう。
ちょっと名前が長すぎるので、彼女の事は天気ちゃんと呼ばせてもらおうかな。
お天気キャスターとの事なので。
天気ちゃんのデビューなんだけど、
彼女の誕生日はヤマトアミちゃんとキズナアイちゃんの間に位置するみたいだね。
調べた所、天気ちゃん自身は自分の所属先に関し、結構曖昧な発言を残している事がわかった。
例えば、こういう発言。
恐らく2018年の3月の配信中だとは思うのだが、「にじさんじ」の月ノ美兎さんが、自身の配信中に天気ちゃんの声真似を披露した事があり、これに対して天気ちゃんが以下のような発言を残している。
「月ノ美兎ちゃんて言う、バーチャルYouTuber仲間さんですよ、
ウェザーロイドちゃんからしたら。
ウェザーロイドがバーチャルYouTuberかっていう立ち位置は難しいですけど。
でも、バーチャル、そしてYouTubeで放送がある。
バーチャルYouTuberじゃないとは言えないですよね。
私もちょっと立ち位置わかんないので、勝手に、お知らせツイートする時は、
"バーチャルYouTuber ハッシュタグ バーチャルYouTuber" って付けてるんですけど。
まあ何か立ち位置としてはね。」
...動画内から台詞を正確に書き出したつもりだけど、もし違ってたら悪い。
まあ内容に大きな違いはないと思うが。
後、俺はツイッターやらないので、ハッシュタグってのが何なのか全くわからんから、興味があるなら自分で調べてみてくれ。
で、上の発言なんだが、本人は明らかに「私はVYTです」とは宣言してないんだよな。
何度読んでも「私が自分で決めるのは難しいので、誰か詳しい人が定義を決めて、早く私の立ち位置を教えてね。私はできればVYTが良いな。」という気持ちを持っているように感じられるんだよな。
それと天気ちゃん、つい最近、キズナアイちゃんとの接点ができた。
2018年4月11日(水)のキズナアイちゃんの動画「バーチャルYouTuberの声マネやってみた!」の声マネ対象の一人として、天気ちゃんが選ばれていたのだ。
ちなみにこの動画、VYTの歴史的にも極めて重要な動画であり、
キズナアイちゃんの口から「にじさんじ」という言葉まで飛び出した。
という事は、ジャンルの定義を知る唯一の人物の口から「企業系2DもVYTに含みますよ」という正式発表のための動画だった側面もあるのではないか、と勘繰ってる。
天気ちゃんの話に戻すけど、このキズナアイちゃんの声マネに対し、
山岸愛梨さんというウェザーロイドの声担当の方が、
2018年4月11日(水)の本人のツイッター内で、
「なんと! ウェザーロイドちゃんの存在を知ってくれているなんて嬉しい!」
「キズナアイちゃん、ポン子ちゃんと仲良くしてあげてください」
と書いている。
自分の立ち位置がわからない、と悩んでいた山岸愛梨さんが、
ジャンルを作ったキズナアイちゃん自らに「VYTの声マネ」として名前を出された事実に対しての発言が「嬉しい」「仲良くしてあげて」なわけだから、
両者の中で「ウェザーロイドは4月11日をもって、VYTカテゴリーの中の、小カテゴリーに編入となります」と認識された、と考えていいんじゃないかな? これに関しては。
ちなみに「ポン子」という名前だが、調べてみると「ポンコツ」が由来らしい。
本人が言い出したのかまではわからんが。
それから上に「声担当」などという裏側要素を書いてしまったが、本人のツイッターの自己紹介文の中に「ウェザーロイド中の人」と自分で書いているので問題ないかな、と判断した。
また、お天気キャスターであってプロの声優さんではないのかな? とも思ったので、
「声優」ではなく「声担当」という書き方をした。
補足はそんな所かな。
そしてこの天気ちゃんなんだが、ずっと独りぼっちだったキズナアイちゃんとは違い、恐らく仲間がいなくても独りぼっち感を感じさせなかったのではなかろうか?
山岸愛梨さんが明るい方だったというのが一つにはあると思うのだが、そもそも彼女自身に「新しいジャンルを作ろう」という発想自体がなかったと思う。
要するに最初から本人の意向として、自分の仲間を増やしてジャンルとして育てる、という目的自体がなかったはず。
...と決めつけてかかるのは、さすがに俺の身勝手すぎかな?
でもさ、キズナアイちゃんには間違いなくあったんだよ。
バーチャルYouTuberをジャンルとして確立したい、という思いが。
そうでなかったら、新しいVYTが誕生するたびに駆け付けてフォロー、なんてしないだろ?
で、上記2名がキズナアイちゃんの「元祖VYT」という功績を脅かす人物、という訳だが...。
何かこういう書き方すると、彼女たちがVYTの敵みたいに聞こえてしまうけど、別に彼女たちが「ワタクシこそが元祖ですわよ!」と言い出したわけじゃないんだよな。
彼女たちの外側でそういう議論が起きてしまっただけだから。
こちらとしても、記事のテーマ的にどうしても外敵扱いの流れになってしまって申し訳ないな、と思ってます。
もしも本人たちがここを目にする機会があったら、きっと嫌な思いをさせてしまうかもしれないね。
何も悪い事などしていないのに。
だけど申し訳ない。
今回だけは強く書かせてくれ。
今回だけ、今回だけでいいから、君たちが嫌な気分になる文章を書かせてくれ。
VYTの定義をテーマにするというのはそれだけ重要な事なんだ。
何ヶ月もの間ずっと、多くのファンが「2DもVYTに含めるべきだ!」「いいや3DだけがVYTだ!」などと議論をしてきたが、一つはっきりさせておきたい事がある。
VYTの定義を決める資格があるのは世界にただ一人、 キズナアイちゃんだけだから。
なぜなら、このジャンルを作った人物こそが彼女なのだから。
つまり彼女以外の誰もVYTの本当の定義を知らない。
彼女しか答を知らない。
だけど彼女にひっぱたかれるのを承知の上で、2つだけ俺に定義させてほしい。
「キズナアイちゃんが誕生した日付よりも"後"の日付でデビューしたYouTuberである事」
「本人にVYTの精神性が宿っていて、その上で本人がVYTである事を自己申告している事」
この2つ。
まず1つ目のやつから説明すると、VYTというのはキズナアイちゃんが作ったジャンルなのだから、必然的に彼女の誕生以前から活動していたYouTuberは全て別ジャンルに所属していた事になり、キズナアイちゃんよりも誕生が早いYouTuberは、全員VYTではない、という事。
そして2つ目の方は、たとえ活動内容が完全にVYTの条件を満たしていても、本人がVYTである事を宣言していないなら、その人物がどこに所属を希望しているのかわからない訳で、本人にVYTである事の意思が確認できない場合、VYTには含めるべきではない、という事。
要するに2つ目のは「精神性」に関する話だな。
結局の所、上記2名の彼女たちがVYTではない究極的な理由として、
「キズナアイちゃんよりも先に誕生したから」
「本人たちがVYTだと宣言してこなかったから」
という2つの理由を強く推しておきたい。
キズナアイちゃんはビッグバンで、全ては彼女一人から始まった。
彼女こそがVYTという宇宙を誕生させた唯一人の人物であり、この偉大な功績は誰にも否定できるものじゃない。
そりゃ宇宙誕生以前にも何らかの空間自体は存在しただろうよ。
つまりキズナアイちゃんよりも先に「実質バーチャルYouTuber」をスタートさせていた先駆者は確実に存在していたし、それらを否定するつもりは毛頭ないが、結局の所、彼女たちの存在というのは「技術の先駆者」であって「存在(ジャンル)の先駆者」ではないって事。
もう一度書くが、VYTという宇宙を作ったのは間違いなくキズナアイちゃんだ。
宇宙の果てより先にも空間はあるが、宇宙の果てより先の空間を宇宙とは呼ばない。
彼女の前に技術の先駆者が何万人いたとしても、その先駆者たちのした事は技術の実験であって、世界の構築じゃない。
だからVYTの元祖は断じて「みんなの親分、キズナアイ」という結論になる。
彼女が名告を上げた瞬間からバーチャルYouTuberワールドという宇宙が誕生した。
ジャンルってのは名前と共にスタートするもんだろ。
日本という国ができる前から日本列島には人が住んでたけど、でも彼らはまだ「日本人」じゃなくて「日本列島人」だった。
国ができて初めて彼らは日本人になったんだ。
これと同じ事だろ。
まだ足跡の付いていない新雪の上を踏み付けて、
誰も知らない道を堂々と駆け抜ける彼女の背中はかっこいい。
そうは思わないか?
で、ここまで話をした上で、実はまだ一つ問題が残ってる。
もしも仮に、キズナアイちゃんよりも前から存在する天気ちゃんが、今からVYTに転向しますよ、という場合、このようなケースでは元祖の座が移動してしまうのか、という問題。
無論、転向するもしないも彼女が自分の意思で決める事なので、これはあくまで例文にすぎないが。
繰り返し書くが、「もしもキズナアイちゃんの誕生以前から活動しているYouTuberが、今からバーチャルYouTuberに転向した場合、元祖はキズナアイちゃんではなくなってしまうのか?」という話だが、絶対にそうはならないと断言できる。
例えば、30年間「床屋さん」を勤めたオジサンが、今年に入ってから「美容師」に転職したとする。
ではそのオジサンの美容師歴は何年か?
スタートからいきなり30年扱いになるかというと、そうではないだろう?
当然、オジサンの美容師歴は一年目だ。
考えてもみろ。
四天王の一人、ねこますサンだって、活動自体はVYT誕生よりも前らしいじゃないか。
だけど彼はキズナアイちゃんの事を先輩として敬ってる。
...話は以上。
で、これらの定義は俺一人の足りない頭で考えたものだから、恐らくどこかに穴があると思うんだよ。
だがここまで問題を野放しにしてきた以上、今更誰が案を出してこようと、それら全ての案に必ず何かしらの穴があるはずだ。
だったら、気持ち的に一番納得の行く形で手を打つのが最良かなと思った次第で。
それから最後になったが、ヤマトアミちゃんへ。
7年がかりの登録者数10万人達成おめでとう。
もし君が「バーチャルYouTuber的な存在」から、
本当の「バーチャルYouTuber」に転向するなら大歓迎だ。