転向組の君たちへ
バーチャルYouTuberと一口に言っても既に様々なタイプのVYTが誕生しているため、この辺で少し整理して、小ジャンル名を提案してみたいと思う。
1: ヘビーRP・バーチャルYouTuber
2: ライトRP・バーチャルYouTuber
1番目のは、例えば「私はAIです」とか「未来から来ました」みたいな設定を作って、その設定通りにRP(ロールプレー)を続けるVYTが該当する。
2番目のは、にじさんじみたく設定は決めるものの、実際の活動はRPを徹底せず、設定に反するプライベートな話をしたりするVYTが該当する。
言い方はあまりよくないが、VYTを楽しんでみたくて飛び込んだファッション感覚のVYTだな。
いや、単に区別する為にこういう書き方をしているだけで、ライトだから駄目、という意味じゃないんだ。
もしも気を悪くしたなら申し訳ない。
それから3番目のは、四天王のねこますサンみたいに、最初から「キャラと中身は完全に別です」と明確にしており、感覚的にはゲームのエディットキャラを使ってYouTuberをやってる感じだな。
このケースはRP自体を必要としていないが、一応味付け程度にはみんなやっているようだ。
...ほら、上に「ライトだから駄目という意味じゃない」と書いたけど、
四天王のねこますサンなんかRPをかなぐり捨てて活動してるわけだろ?
だから、1~3のどれが良くてどれが駄目とかって話じゃないんだよ。
ちなみに、この3番目のアバターに関してだが、アバターはあくまでもアバターなので一つにまとめて書いてしまったが、考えようによってはこちらもヘビーとライトの2つにわけてしまってもいいかもしれない。
例えばのらチャンなんかは、演者の存在を匂わす発言をしてはいるものの、演者とキャラは別の生命である、というスタンスを取っている。
このケースだと、同じアバターのねこますサンとは明らかに立場が違ってくると思う。
つまり、のらチャンはアバターとRPの中間なんだよな。
だから「のらチャン=ヘビーアバター」「ねこますサン=ライトアバター」と考えた方がいいのかな、と。
それにしても、ねこますサンは四天王なのに、キズナアイちゃんとは対極の存在なんだよな。
キズナアイちゃんは「企業系VYT」の「ヘビーRP」なのに、ねこますサンは「個人系VYT」の「ライトアバター」なわけだから。
この2人が揃って四天王に入っているからこそ、VYT世界に多様性が生まれたのだと思う。
それからもう一つ。
仮にこの1~3のどれかに当てはまっていても、本人がVYTの精神性を持ち合わせていない者に関しては、俺個人としてはVYTには含めたくない、というのが本音だったりする。
...が、その話は今回は置いておこう。
それと、精神性の話とは別のケースとして、実は上記のどれにも当てはまらない人物が数名ほど存在する。
例えば具体的に言うと「双方向のコミュニケーション性を持たず、単なる一方的なCGアニメをYouTube上に流すだけの者」がこれに該当する。
あえて名前は出さないが、この説明でわかってくれる人は多いと思ってる。
彼らは現在VYTとして扱われているようだが、俺としてはVYTとして扱ってはいけないのではないか、と思ってる。
そうしないと収拾がつかなくなってしまうからだ。
このタイプはランキング上位にも複数名いるのだが、恐らく動画をあげている人が「同じ一人のアニメキャラを使ってYouTube上で活動するのがVYT」だと勘違いしている節がある。
このタイプは、VYTというジャンルが誕生する以前なら、動画を見た視聴者も「これは全く新しいコンテンツだ」とは思わなかったはず。
なぜならば、ただの普通のアニメだからだ。
だから、冷たい事を言うようだがランキングから彼らを外してほしいと思ってる。
それと、最後にもう一つだけ書いておきたい事がある。
実はこれが一番書きたかった事なんだが、VYTというジャンルが誕生する以前から活動していて、後になってからVYTに転向する人達に言いたい事がある。
例えば、ヤマトアミちゃんやウェザーロイドの天気ちゃんのように、元からVYT的な存在としてVYTファンから認識されていた極一部の例外を除き、それ以外の人に関しては勝手にVYTカテゴリーに移動してくるのは控えてほしいと思ってる。
こっちとしては、ランキング上位にいきなり知らない人が紛れ込んでいるのを見るのにうんざりしているので。
ランキングをちょくちょくチェックしている人なら既知の事とは思うが、全く見たこともない人物が突如としてランキングの上位に出現する事がある。
そしてその手の人物に共通しているのが、姿を見せた初日から既に登録者数が非常に多く、にも拘わらず、その後、新しい登録者は殆ど増えない、という事。
要するに、この人たちは本当はVYTではないにも拘わらず、登録者数の増加が停滞している現状を打破するために、新規開拓目的で外から入ってきた部外者、という事だ。
彼らは元々一般のYouTuberだったが「YouTuber時代も顔出しはしてなかったし、2Dか3Dのモデルを用意すればVYTを名乗っても構わないだろう」という考えで入ってきたのだと思う。
きっと、そっちはそっちで色々と大変なんだろうよ。
だから、別に俺だって「出ていけよ」などと冷たい言葉を吐きたくはない。
ああ、悪気がない事くらいはわかってるつもりだよ。
だからこそ今回は「外敵」のカテゴリーを使わなかったんだしね。
そう、確かに彼らに悪気はないだろう。
単にVYTに対する理解がないだけだ。
だから、君たちには理解してほしいんだよ。
そこで試しに、わかりやすくテレビゲームのランキングにでも例えてみようか。
まず、Aという古くからあるゲームと、Bという新しいゲームがあったとしよう。
そしてゲームAは徐々にプレー人口が減っていき、ゲームBの方はどんどん盛り上がり始めたとする。
すると、ゲームAのランキング上位のプレーヤーたちが、俺たちもゲームBをやるから、既にゲームAで稼いだスコアを、ゲームBのランキングに持ち込ませろ、と言い出したとする。
これは果たして許される事だろうか?
...が、こういう話をすると「ミライアカリだってエイレーンから登録者数を持ってきてるじゃねえか」と言われるかもしれないので、ここはちゃんと書いておこうと思う。
まず知らない人のために先に書いておくと、VYT業界にエイレーンさんという人がいるんだよ。
VYTの萌実ちゃんと共演する事が多いせいで扱いが難しいけど、この人は多分VYTではないと思う。
というのは、単なるキャラクターじゃなくて実在の人物だから。
実写じゃなくて絵ではあるけど、自分自身を絵に置き換えただけだからね。
それって別に、バーチャルの人間じゃないよな?
まあ正直いうと、俺はこの人の事を殆ど知らない。
多分だけど、ミライアカリちゃんのプロデューサー的な人だと思ってる。
でも、新しくVYTファンになった人は、そのくらいの認識で大丈夫だと思うよ。
で、このエイレーンさんという人が結構前からYouTubeで活動していて、
この人がミライアカリちゃんをプロデュースする際に、
自分のチャンネル名を途中でアカリちゃんのチャンネル名に変更したらしいんだわ。
だからアカリちゃんの登録者数は、スタート時から既にかなり多い状態だったと。
ではエイレーンさん達は転向組のVYTなのか、という話だが、それはあり得ない。
なぜならエイレーンさんはアカリちゃんのデビューに合わせて舞台の上から降りたからだ。
アカリちゃんは最初からVYTとして誕生したキャラクターだし、エイレーンさんも主役の座をアカリちゃんに明け渡して舞台裏に下がった。
つまり、彼女達はちゃんと「けじめ」をつけてるんだよね。
そしてこのやり方が通じるのは、ファンの心情的にジャンル創世期間の間だけであり、今後これと同様の「登録者数を維持したままジャンル間を移動」という手段で転向を認められるのは、恐らく、ヤマトアミちゃんと、天気ちゃんの2人だけになる。
彼女たちは例外だ。
これは差別などではなく、功労者に対する感謝の証だから。
更にもう一つ加えるならば、周知の通り、エイレーンさん達はVYT業界に多大な貢献をしてきたグループでもある。
それに反して、今更のように転向してくる者たちは、貢献どころか手ぶらでのこのこ現れて、本来なら他人が座るべき椅子に勝手に座って邪魔をする始末。
...ここまで書いた文章を読めばわかると思うが、俺は本当にむかついてるんだよ。
いや、わかってるよ?
転向組がこの記事を読んだら「なんでお前にそこまで言われなきゃいけないんだよ」と、
むかつく事くらい。
だがこっちはもっとむかついてる。
逆の立場になればわかる。
とはいえ、こればかりは頭で考えてもわからん。
やはりこちらの立場に立って初めてわかる事だ。
それでもあえて言葉で説明すると、
みんなで一つ一つ積み上げてきた物を踏みにじられたから怒ってるんだ。
簡単に理由を言うと、それだけ。
わかりやすくて良いだろ?
が、それでもこれらの感情を圧し殺し、俺は友好的に話を進める。
だから乱暴な言葉を避けて優しい言葉で言うが、俺が転向組に一番わかってほしいのは、
「君たちは違う世界の住人なんだよ」という事に尽きるんだ。
そして、そんな別の世界の住人である君たちが「どうしてもVYTに転向したい」というなら止めはしない。
ただし、転向するならするで、その時は「登録者ゼロの新しいチャンネル」を作って1からスタートしてほしい。
が、仮に「もう同じチャンネルでVYT活動を開始しちゃったから今更変えられないよ」というのであれば、その場合はランキングサイトに「転向前の登録者数を引いた数で計算してほしい」と頼んでくれ。
なぜって、せめてそのくらいはやってもらわないと、こっちだって唾の一つも吐きかけたくなるってものだろ。
だけどさ、こういう記事を書いてると、俺はきっと彼らにこう言われると思うんだよ。
「なーんだ! VYT業界って排他的なんだね!」...と。
だから大事な事を書いとくわ。
VYTってさ、まだ定義が定まってないジャンルだから、どこかに明確な線引きをしないと、明らかにバーチャルじゃないYouTuberでもVYTを名乗り放題になってしまい、無法地帯と化すんだよ。
例えばVYTというジャンルが誕生以前に、一般のYouTuberが「フェイスリグのサンプルを使ってゲーム実況してみた」などのケースは探せば幾らでも出てくると思うんだ。
それってVYTという「ジャンル」を一切意識してない、完全にただの遊びでしかないんだけど、このままちゃんとしたルールを作らずにいたら、こんな「ただフェイスリグで遊んでただけの連中」までVYTの元祖候補として扱わなきゃいけなくなってしまう。
これを許してしまったら、最終的に行き着く先は、
「VYTの元祖はフェイスリグやモーションキャプチャーの開発者」という話になりかねん。
こっちにしたら「技術の使用者」の元祖なんてどうだっていい。
ジャンルを興した元祖が重要なんだ。
長々と書いてきたが、最後に一つだけ。
俺はね、転向を考えてる人たちに「VYT専用のランキング」を見てほしいんだよ。
そうすれば、ここが真っさらな新しい場所だって事がわかってもらえると思うから。
上位数名を除けば、まだ10万行くか行かないかの小さな世界なんだ。
そういう新しい世界を、今みんなで作っている最中なんだよ。
そう、バーチャルYouTuberワールドって、キズナアイちゃんが作った新天地なんだ。
そんな風にとても小さな世界の中で、みんな日々一喜一憂してる。
俺はそれを君達にわかってほしいんだ。
VYTの中にはきっと、ファンの人たちとランキング上位に入れた喜びを分かち合ってる人だっているかもしれないよね?
それこそもしかしたら「後2000人でランキングトップ20に入れる! そうしたら堂々と憧れのVYTさんに初めての挨拶をしにいくんだ!」...と、心に決めてるVYTだっているかもしれないよな?
なのに、突如知らない人の名前がランキング上に出現して、頑張ってる自分を下に叩き落としてきたとしたら、どうするよ?
もう少しでランキング20だ! と思っても、そのたびに下に落とされていたらモチベーションなんか維持できないとは思わんか?
俺はさ、この人たちの真っ直ぐな気持ちを折らないでやってほしいんだよ。
それでも、それでも尚、頑張る彼らを見て自然と沸き上がる俺のこの気持ちを「排他的」と呼ぶつもりなら、お前らはもう好きにしろよ。