猫宮ひなたチャンの事
実をいうと彼女の事を知ったのはつい最近の事で、自分の知らない子が登録者数で四天王に迫る所まで来ている事に気づいて驚いた。
「え、誰この子?」...と。
当初はランキングサイトなんて知らなかったからな。
だから、そういう存在はにじさんじの月ノ美兎さんくらいかと思い込んでいた。
自分なりに調べはしたんだが、個人なのか企業なのかその中間的なグループなのか、その辺が今一つわからない。
とはいえ、ここまでいっきに数字がのびたのは、恐らく海外のファンがついた事と、既存の客層以外の所からファンを引っ張ってきた事が考えられる。
要するにこの子は輝夜月チャンと同じ、外界への扉を開くタイプのVYTなのだと思う。
つまり、閉じられた市場の中で限られたパイを取り合う相手、ではなく、外から新しいパイを持ってくるという重要な役目を負っている貴重なVYTである可能性が高い。
ちなみに、こういう「銃ゲーが凄く上手いVYT」に関しては、俺の場合はアナト君で先に驚愕済みだったせいで、ひなたチャンを見た時の驚きは小さかったりする。
アナト君の場合、最初にふわふわとした優しい動画が2つ続いて、その直ぐ後に銃ゲーが来た事もあって本当に新鮮な驚きをもらった。
静から動へ、という感じで。
で、だ。
これから書く事はあくまでも「猫宮ひなた」という「キャラクター」に対する感想なんだが、俺自身は銃ゲーどころかゲーム自体やらない人間だから、残念ながら彼女のゲームプレーの内容の良し悪しは判断できない。
だけど素人なりに幾つかの動画を見た上で感じた事があって、この子は凄く強いのに、下手な人を邪険にしないのだな、と。
ほら、こういう対戦型のオンラインゲームって、初心者へ暴言吐きまくるイメージがあるだろう?
そういう競技者特有の攻撃性みたいなものが 、彼女からは全く感じられない。
全部の動画を見たというわけじゃなくて、あくまで幾つかの動画をサンプリングしただけだけど、例えばPUBGのスタート直前の集合シーンでも、他のプレーヤーとの殴り合いに参加してなかったしな。
こういうのって結構大事で、長く対戦ゲームやってると、最初は他のプレーヤーを殴るのに抵抗感があったとしても、いつの間にか感覚が薄れて他人を平気で殴れるようになるものだろ?
でもひなたチャンは初心を忘れてないというか、感覚が麻痺してない気がするんだよな。
凄く強いのに、弱い味方のプレーヤーを馬鹿にしたりしないし、見ている人に悪い影響を与えないようスポーツマンシップに徹したプレーをしているように俺には見えた。
少し人見知りしそうではあるが、性格もとても真面目で、人を見下したりせず、強いのに暴力的じゃない所がいいなと思う。
要するに、育ちが良さそうで好感が持てるって事。
子供なのに強いから、とか、女なのに強いから、とか、そういう理不尽な理由で叩くべきじゃないぞ。
何かそれっぽいコメントとか見たけどな。
後、これは絶対に書いておきたい事なんだが、彼女を叩く口実として一番多い理由が「声を当てている人と、実際にゲームをプレーしている人が違うのでは?」という理由。
これに関しては一つ思う事があって、
俺自身はその手の知識はさっぱりなんだが、例えば銃やら戦艦やらの名前に詳しい若い日本人がいっきに増えた気がするし、今の時代は女の子でも普通に銃ゲーやってる子が多いし、滅法ゲームが上手い女の子だって幾らでもいると思うんだ。
だから、日本人の若い女の子で銃ゲーがめちゃくちゃ強い子がいても不思議ではないんだが、そうかといって「2018年の時点で、日本人限定で、女性限定で、腕はプロレベルで、しかも複数のゲームに精通していて、それでいてまだ存在を知られていなくて、更にプロの声優のような声質の持主」となると、現時点では人が限られてしまい、やはり企業が仕掛ける分業制のVYT、という推測が一番自然な結論になると思う。
正直にいうと、俺としては ひなたチャンが「声優+プロゲーマー」の分業制であってほしい。
そうじゃないと、外の世界から有望な人材が集めづらくなる気がするからだ。
一人の人間が全部のスキルを持っていなけりゃ歓迎しませんよ、となってしまうと、せっかくバーチャルなキャラなのにバーチャルである事を活かしきれなくなる。
だから分業制VYTのテストケースとして成功してほしい、というのが俺の本音だったりする。
顔がかわいくて、声もかわいくて、しかも性格が良くて、その上にゲームまで強い、という人材は現実だと簡単には見つからないだろ?
顔は良いけど、声が今一つ、とかな。
それこそ、幼少時代からアイドル並のルックスの子をスカウトして、ゲームとしゃべりの特訓させて育成しない限りは難しいと思うわけで。
だがVYTなら不可能が可能になる。
様々な分野のエキスパートを組み合わせ、存在しないものを作り出す事ができる。
そのような「理想的な架空の人物」は、VYTが出てくる前はアニメ作品の中のキャラクターとしてしか存在しえなかったと思うんだ。
だからこそ、猫宮ひなたチャンには分業制VYTの試金石となってほしい。
だってほら、彼女は一見すると、ただゲームをプレーしてるだけなので、VYTである意味があまりないと思われがちだけど、実はVYTでなければ絶対にできない事をしているんだよね。
彼女はバーチャルYouTuberの申し子なんだよ。
だから、こんなつまらない理由でブレーキをかけてほしくない。
というか、勝手に「演者とゲーマーは別の人」という前提で記事を書き進めてしまったが、
もしも本当に「演者とゲーマーが別の人」であるならば、
その時はどうか、彼らには自分達の仕事に誇りを持ってほしいのだ。
たとえ別人であろうとも、別に彼らにはそれを公表する義務も必要もない。
彼らはただ胸を張り、堂々と隠し通せば良い。
(※ここまで書いておきながら、もし演者とゲーマーが同一人物だったら恥ずかしすぎるな)
だけど、少し心配な事があるんだ。
俺の聞いた話だと「中の人が2人いるとか言ってるやつは、女が男に勝つ事が認められないだけなんだろ?」という具合に、女vs.男、の方向に持ってこうとする連中までいるみたいなんだよな。
何かこの人たちは、勝手に期待して勝手に「裏切られた!」とかアンチになりそうで心配なんだが。
輝夜月ちゃんの時もそうだったよな。
勝手に期待して勝手にアンチに寝返ったやつが多かった気がするわ。
俺としては、むしろ完璧な声当てをする声優さんの技術と、対戦ゲームの模範生であろうとするゲーマーの人たちを誉めてあげてくれ、と思うんだが。
それから最後になるが、登録者数の件で少し書いておきたい事がある。
ほら、彼女は突然現れて、あっという間にランキングを駆け上がってしまったから、納得できない気持ちのファンも多いと思うんだよ。
例えば富士葵ちゃんとか、ときのそらチャンとか、結構長く活動しているのに登録者数が伸び悩んでいるVYTのファンの人なんかは、ひなたチャンには落度がないと頭ではわかっていても、あまり良い気分ではないと思うんだ。
それが人間というものだからね。
だけど、そういう時はこんな風に考えてみてほしい。
ひなたチャンがVYTとしてデビューしたのは確かに最近だけど、そのデビュー前から彼女はずっとゲームの腕を磨いてきたはずで、彼女があれだけの強さに辿り着くまで、一体どれほど多くの壁を乗り越えてきたのか想像してみてほしい。
少し考えたらわかると思うが、彼女は絶対に楽なんてしてないはずなんだよ。
デビュー前の彼女をみんなが見てないだけで、他の誰よりも努力してきたかもしれないわけだ。
いきなり現れてみんなの注目をかっさらっていったからといって、目に見える部分だけで判断して勝手に嫌いにならないでやってくれと言いたい。
何となくだが、登録者数を気にするVYTファンや、第三者を通して彼女を知ったVYTファンは、彼女の事を嫌いになりやすい気がするんだよな。
だけど本当のVYTファンならば、急に売れたからといって変に反感を持つのではなく、第三者を間に通さず、自分の目で、素直な気持ちで、ありのままの彼女を見てあげてほしい。
そうすればきっと彼女の事を好きになる。
四天王の数字を最初に抜いたのがこの子で本当に良かった。